2007(平成19)年の区議会会議録。
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私は、江戸川区議会公明党を代表して、当面する諸課題について、通告順に従い、質問させていただきます。多田区長、並びに教育長の誠意ある答弁を期待するものであります。
――〔中略〕――
次に、読書活動の推進と学校図書館の充実について、お尋ねいたします。
去る、七月六日、我が区議会公明党は、区内小・中学校三校を訪れ、次の時代を担う子どもたちが、元気で、輝いて、楽しく、学習している様子と、熱心に取組んでいる「朝の読書活動」や地域の人たちが主体的に取り組んでいるボランティアによる充実した「読み聞かせ活動」、そして整備が進んでいる「学校図書館」などと、併せて、すばらしい「保健と給食」の連携による健康づくりに、取り組んでいる情況について、教育現場を視察させていただいたところであります。
以上の教育現場の視察を踏まえて、数点について、お尋ね致します。
さて、読書は、子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身につける上で、欠くことのできないものであります。
現在、活字離れが、指摘される中、読書に関する興味・関心を高める取り組みが始まっているところであります。
わが党は、子どもたちの健全育成に読書が重要な役割を果たしていくということから「読み聞かせ活動」や「朝の十分間読書活動」、また「ブックスタート」などの推進を提案してきたところであります。
本区においては、「朝の読書活動」や「読み聞かせのお話会を進めるボランティアの活動」など、年々広がり、その充実ぶりは、目をみはるものがあります。
これらの着実な活動を通して、子どもたちの興味・関心が高まって読書をするようになったという多くの声を聞くようになりました。
さて、このたびの学校現場の視察を通して、「朝の読書活動」や「図書ボランティアによる読み聞かせ」など、今後の江戸川区の教育の軸になると思われる活動になっていくのではないかと実感したところであります。
特に、「朝の読書活動」では、中学生が真剣に、静かに読書に集中している情況を見るにつけ、このような活動が落ち着いた学校生活につながっていくことが良く理解できたところであります。また、「読み聞かせの活動」では、普段は、ゲームに夢中になっていると思われる児童が、集中して耳を傾け、真剣に聞く様子などが、良く理解できたところであります。
そこで、このような読み聞かせの取り組みが、本への興味をひいて読書活動へとつながっていくことから、全小・中学校にも広がっていくことが求められています。
本区の小・中学校における読書活動が、着実に進んでいることに対して、評価するものであります。
しかし、「朝の読書」の実施状況を見ますと小学校では七十三校中六十六校、中学校では、三十三校中二十三校となっております。また小学校では、しっかり取組んでいたが、中学校に入学したら、実施していない。
また、実施していても担任の教師がついていないでの実施や、実施回数など、様々な課題もあると思われます。
そこで、「日本一、本が好きな子どもがいる江戸川区」をめざして、今後、どのように読書活動の充実を推進していかれるのか、決意のほどを、お聞かせ下さい。
――〔中略〕――
次に、学校図書館で大事な役目を担う、司書教諭の配置を見てみますと、確かに各学校一校に一人配置されております。しかし、その内容は、担任教諭が兼務していることが多いと言われ、子どもたちへの学習や生活面での指導、そして学級事務や校務などに、日々追われている教員が、学校図書館の整備や充実に取り組みたくても、なかなか手が回らないという実態があるのではないかと思われます。
そこで、司書教諭の配置を、より充実させていくためには、司書教諭のOBの方や地域の方を生かし、図書館の整備や子どもたちへの図書の紹介やレファレンス、ブックトークなどを充実させながら、ボランティアの方々とも連携を取り、その核となっていけるような、学校図書館サポーターなどの配置の充実を検討してはと考えますが、ご所見をお聞かせ下さい。
――〔中略〕――
次に、学校に対する様々な意見に対する対応について、お尋ね致します。
最近、特に学校生活で保護者と学校とのトラブルが発生するケースが社会問題になっていることはご承知の通りであります。
これらの要因には様々なことが指摘され、その解決には、多くの難問が横たわっていることも事実です。
その内容は、学校や教育委員会は親からの様々な意見が寄せられて苦慮していることや、これらの意見への対応に日常の教育活動の時間が奪われたり、教師が精神的なストレスを抱えたりすることなども見られると言われております。
さて、このような課題の解決に向けて、様々な取組みが考えられますが、学校と家庭・教師と親のパートナーシップを確立するために、校長が果たさなければならない役割は、極めて重要であると考えます。
また保護者会、PTAの役員会、学校だよりなどで、具体例を挙げながら立場の違いを乗り越えて、学校と家庭・教師と親がどのように協力すべきかを探り続けなければならない課題でもあると考えます。
親の無理と思われる要求や苦情も、冷静になって考えてみるとそれなりに筋の通っているところもある場合も考えられます。
一見無理だと思われる要求にも、そこには一つの道理があると受け止めることによって、親との話し合いが円滑にいく場合も考えられます。
また、教師との人間関係が円滑な場合、それでも無理な要求をする親は極めて少数であると考えられます。
従って、無理な要求の以前に「教師と保護者」の人間関係がギクシャクしているのではないかと思われます。
現在、学校生活トラブルを解決するために、児童・生徒の保護者と学校との間に第三者が入って助言する仕組みづくりが広がり始めているところであります。
本区においては、指導室分室(教育指導調査員)の中に教育支援センター(五名)を設置し、学校を回って初任者の指導や学校経営上の課題や保護者の様々な意見の対応について、校長の相談にのり、学校支援を行っていると聞いているところであります。
そこで、本区においては、具体的にどのような意見が寄せられているのか、その解決に当たってどのように対応してきているのかお聞かせ下さい。
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cf.――
http://www.gikai.city.edogawa.tokyo.jp/voices/g08v_search.asp