2012年6月に公表された札幌市のオンブズマンの活動報告書から(適宜改行etc.byFJN)。
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(8)PTA会長に対する校長の配慮を欠いた行為私は中学校のPTA会長をしているが、
会長である私が十分に確認しないままPTAの「事務局だより」が発行されるなど、
会の運営が一部の役員や委員にばかり配慮した状態で行われてきた。
そうした中、PTAの顧問である校長から、
今年度のPTAは会長不在のまま進める、
来年度の役員候補にも入ってもらわない
などと記載された文書を渡された。
このような行為は、校長という強力な立場を笠に着た理不尽なものであり、
精神的、神経的に大きな負担となった。
文面の撤回と正式な謝罪を求めたい。
オンブズマンの判断
PTAは、父母と教員が協力して家庭・学校・社会における児童生徒の幸福な成長を図ることを目的とする団体であり、その運営は、自主性が尊重されなければなりません。団体運営のため、会長、副会長等の役員が設けられており、校長は顧問としてこれらの役員や会員等からの相談を受ける調整役となることが期待されています。
役員や顧問は、役員会を構成し、PTA活動を円滑に進めるために必要な業務を行いますが、その際には、民主的で公正な会議の運営と決定を行うことが求められており、例えば、役員間で意思の疎通を欠き、あつれきが生じたような場合には、互いの意見を尊重しながら、粘り強い話し合いを継続することが必要です。
本件において、PTAの顧問である校長が、役員会の議を経ることもなく、事実上、申立人のPTA会長の権限を一方的にはく奪するかのような挙に出たことは、いささか驚きを禁じ得ません。
ここに至る経緯からすれば、PTAの顧問である校長が本件文書を送付した心情、意図も理解できないわけではありませんが、それにしても、上記校長の行為は、申立人の立場に対する配慮をやや欠いており、軽率であったと言わざるを得ません。校長に対しては、自省と自制を求めます。
また、市の教育委員会には、PTAと学校の自主性を尊重しつつ、両者が協力関係を維持継続できるように、適切な指導・助言をしていくことを期待します。
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cf.――
オンブズマンの活動状況/札幌市