************************************************************
沈黙の螺旋理論によると,自分が少数派であると認知したとき,少数派は孤立への恐怖から意見表明を控える。
これにより多数派の意見は更に強度を増し,少数派はより一層少数派になっていく。
近年マスメディアではPTAに否定的な意見が多く,PTAに肯定的な保護者(少数派)は,選択式項目の調査には回答しても自由記述欄に肯定的な意見を書くことは控えると予想される。
本研究では公立小学校の保護者にインターネット調査を実施し,今後のPTAのあり方(選択式)と自由記述欄の回答有無の関連を検討した。
χ2検定の結果,「わからない」を選択した無関心層と「このまま存続すべき」を選択した少数派(PTA肯定派)は,「進め方を検討すべき」を選択した多数派(PTA改革派)よりも自由記述率が有意に低かった。
少数派の意見は自由記述では埋もれてしまう危険性があること,少数派の意見を拾うためには選択式の質問が効果的である可能性が示唆された。
************************************************************
see⇒
≪少数派は自由記述欄の回答を控えるか―PTA調査の結果を沈黙の螺旋理論から考える―≫