藤田秀雄が論文
≪日本におけるPTAの歴史 (その1)≫(1984)の最初の頁の第2段落にこう書いている。
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一九五七年、東大とスタンフォード大学との協力によって、東大に、教育改革研究会が発足した。これは、日本の戦後教育改革を全面的に検討するために設けられたものである。わたしは、この研究の社会教育の領域の助手として、海後宗臣先生のご指導のもとに、資料収集・整理の仕事をおこなった。その活動の一項目として、PTAの歴史研究があり、小さな新聞記事に至るまで、日本にある資料をできるかぎり収集した。また、それを整理して、素稿の形でまとめておいた。そして、その一部は、『社会教育』(『戦後日本の教育改革』第一〇巻、東大出版会)』の第一章から第三章のなかに記述した。この小論は、その当時の素稿に手を加えたものである。
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以下、『社会教育』(『戦後日本の教育改革』第十巻、東京大学出版会、1971初版/1975第3版)の第一章のp.78から抜粋する。
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一九四六年五月(日は不明)、CIEは文部省に「資料『父母教師会』」を提供した。そこには次のように述べられていた(筆者要約)。
(1) 父母教師会の会員になることは絶対に任意である。
(2) 父母教師会が教師のものになることは万難を排してさける必要がある。
(3) 学校別の父母教師会ができたら、早速、市町村単位、県単位の協議会をつくり、さいごに全国協議会を設立すべきである。
(4) 会の力で実現できることの第一は、学校改善のための資金調達である。
(5) 児童心理等は必ず研究すること。
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なお、「資料『父母教師会』」の内容については、上掲『社会教育』のp.87に「註記(33)」として【文部省社会教育局『日本におけるPTA運動の歩み』所収(一九五〇年)。】と明記されている。