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とどくとおもう Ⅱ

Full of Junk and Nothing

教育委員の決まり方(2-②)

昨2008年11月26日の区議会におけるTK都SN区教育委員の決まり方が凄い。
『わやっ! どうしてこんなので決まるんだ?』と私は思った。
あ、そうか、日本だし、TK都だし、SN区だし、ムッチャクチャなのも無理はないかぁ…
――とも思った。
cf.http://blog.sugimina.com/?day=20081202
↓当日の議会の会議録の転写貼付↓

けっこう長いけれどシナリオ読みできる…はず。
備忘録。
A4で20枚ほど。
約75分の【暫時休憩】(15:16~16:30)の後は3枚弱。

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○議長(青木さちえ議員) 議案第八十七号杉並区教育委員会委員の任命の同意についてを上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) ただいま上程になりました議案第八十七号杉並区教育委員会委員の任命の同意につきましてご説明申し上げます。
 本区の教育委員会委員でございます大藏雄之助氏は、本年十一月三十日をもって任期を満了することになります。
 大藏雄之助氏には、平成十二年十二月から教育委員会委員としてご活躍をいただいております。今般、引き続き教育委員会委員に任命いたしたいと存じまして、ご提案申し上げる次第でございます。
 同氏の経歴につきましては、お手元の議案に添付してございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 何とぞ慎重ご審議の上、大藏雄之助氏を教育委員会委員に任命いたしますことにつきましてご同意をいただきますよう、お願いを申し上げます。
 議案の朗読は省略をさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(青木さちえ議員) お諮りいたします。
 議案第八十七号につきましては、委員会付託を省略して異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(青木さちえ議員) 異議ないものと認めます。よって、委員会付託を省略することに決定いたしました。
 質疑はありませんか。
 二十三番田中朝子議員。
     〔二十三番(田中朝子議員)登壇〕
◆二十三番(田中朝子議員) ただいま提出されました議案第八十七号について、何点かご質問いたしたいと思います。
 まず、教育委員の期数についてお伺いいたしますけれども、これまでの当区の教育委員の中で一番期数の多かったのは、何期ぐらいやられた方がいらっしゃったのか。また、ここ十年少しぐらいの間の教育委員の期数はどのぐらいの方が多いのか、大体で結構ですので、お答えください。
 また、この教育委員の期数ですが、提案された区長は、大体何期ぐらいが適当と考えていらっしゃるのか、また、その理由はどのようなものか、お答えいただきたいと思います。
 第二点目に、教育委員の年齢についてお伺いいたします。
 今回提案された方、この後の議案でもありますけれども、七十代後半ということになりますけれども、これまでの教育委員の方の最高年齢というのは、当区ではどれぐらいのお年の方がいらっしゃったのでしょうか。
 また、一般的には企業でも定年があります。教育委員には今定年等はございませんけれども、こういった年齢的なある一定のラインの目安はあるのでしょうか。それで、それがあってもなくても、その理由をお伺いいたします。
 三点目、教育委員の性別、それから年齢等のバランスについてどのようにお考えになっていらっしゃるかをお聞きします。
 最後に、今回この教育委員の人事を提案するに当たって、今まで三点お聞きしましたけれども、期数や年齢、また男女や年齢層のバランスについて何らかの検討はされたのか。
 このことについて、以上四点についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。
○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) 田中議員の質問にお答えいたします。
 まず、第一点の期数ですけれども、これまでで一番長いというのは、私の手元にある限り、七期約二十四年という方がいらっしゃいます。
 それから、この十年間ということなんですけれども、ここ十年間で、私になってからということなんですけれども、なってからというと、大体二期か三期というぐらいですかね。
 それから何期が適当かということは、これはいろいろ考え方があろうかと思います。一期ずつ交代する場合がいいと考えるのか。ただ、私の場合は、やはり教育というのはころころ変わってはならないと考えていまして、少なくとも選挙で選ばれた首長のいる期間、杉並区では三期十二年までという任期制限の条例がございます。ですから、その期間の間はなるべく同一人にやっていただくのが適当ではないかというふうに考えております。
 それから年齢なんですけれども、これまでの最高年齢の方は、八十歳に就任されて八十四歳でやめられたという方がいらっしゃいます。
 年齢の目安ということですが、後のご質問にも関係しますけれども、バランスよく年代があるほうがいいということですが、目安というものは特にないと思います。日野原さんがやってくだされば、九十何歳ですか、百歳ですか、九十九歳ですか、それもいいことだと、こういうふうに思いますし、横浜では三十代のヤンキー先生と言われた人がやっていましたよね。そういうようなケースはあろうかと、こう思っていますが、年齢は二十五歳以上、被選挙権を持つ年齢からということで、法律上は規定されております。
 それから性別、年齢のバランスについてなんですけれども、今回の議案、お二方、これからもう一方ということになるんですが、現在の十一月三十日までの状況ということを考えれば、この間ご議決いただいた大橋委員を含め、四十歳代、五十歳代、そして六十歳代、そして七十歳代の方がお二人ということで、まあまあとれているのではないか、とれてないと言えるほどのバランスではないのではないかというふうに考えております。
 また、性別につきましては、今回の中では五人のうち四名が男性、お一方が女性ということです。そういった面では、男女の比率を考えれば二・三というのが本来望ましいところかなというふうには考えますが、これもやはりそのときの状況で、固定的に考えるべきではない、なるべくそういうほうが望ましいというふうに考えております。
 そういったことなども含めて検討して、今一から三番までいろいろご質問をいただきましたけれども、いろいろ検討した上で、これまでの業績、人格、活動経歴その他を見ても、再度、もう一度お願いしていきたいということで今回の提案になったので、今ご指摘がありました性別、年齢のバランスその他、その点については考えてまいりましたけれども、そういったことも考えた上での今回の提案になります。
 ただ、今申し上げたように、まだまだ課題もあろうかと思います。今までいろいろとご質問等の中にありますご趣旨につきましては、また今後検討をしていく必要があろうかと、こう考えています。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 三十五番藤原淳一議員。
     〔三十五番(藤原淳一議員)登壇〕
◆三十五番(藤原淳一議員) 日本共産党を代表して、議案第八十七号について質問をいたします。
 日本共産党区議団は、今回議案で出されております大藏氏と、これから出てくる宮坂氏が、教育委員候補者として初めて議案として提案された八年前から、杉並の教育と平和にとって危ない人選だと指摘をし、反対をしてきました。
 大藏氏については、教科書採択に関して、扶桑社の教科書を推し進めました。しかも、中心的役割を発揮したのであります。二〇〇五年、教科書採択の際には、学校から報告された調査報告などの内容を無視して、歴史の教科書には、つくる会の教科書が採択されたのであります。
 採択の方法にも異議があります。五人の教育委員のうち、つくる会教科書に賛成したのは宮坂氏と大藏氏と当時の納冨教育長で、賛成多数で決めました。このとき、合議制ではなく多数決ということは、これは私はおかしいと思っております。やはり学校現場、教師の意見をよく聞き、教科書選定方法を合議制に戻していくやり方を望みます。
 さて、この新しい教科書をつくる会は既に分裂し、扶桑社版歴史教科書の著作権をめぐり、教科書執筆者が発行元の扶桑社に発行停止を求める訴訟まで起こしました。この争いは学校現場にも押し寄せ、扶桑社の社員が学校に来て、教員に教科書記述の間違いを聞いて歩いたとの情報が伝えられています。まさに異常な行動が、教科書をめぐり、杉並の教育に傷をつくったと言っても過言ではありません。
 その教科書を選んだ三人の教育委員のうちの大藏氏についても、結局は扶桑社という会社が学校現場に混乱を与えたという、そういう選定責任を問うべきでありますが、区長の見解を伺います。
 次に、大藏氏はそもそもどういう人か。既に明らかにされてきたように、集団結婚や高額な値段でつぼや印鑑を売りつける霊感商法で社会的問題となった統一教会イコール勝共連合の新聞、世界日報に頻繁に執筆してきました。また、慰安婦なんていなかった、あれは売春婦だったと発言したことには、関係者から抗議を受けていたことは事実であります。しかも、日本の侵略戦争をアジア解放のための聖戦だったとする日本会議など、いわゆる靖国派に身を寄せている人であります。
 教科書選定の審議の際にも、つくる会の藤岡氏の代弁者となって、公開質問状に答える必要があると、他の教育委員に迫ったことからも、正体見たりという感があります。
 区長は、大藏氏のこうしたつくる会や勝共連合への関与を認めますかどうか、お答えください。
 今日においても、改正教育基本法に基づく教科書改善を進める有識者の会、略称教科書改善の会に賛同者として名を連ねております。扶桑社は、一〇〇%出資の子会社、育鵬社を設立。この会社は、愛国心などが加えられた改定教育基本法に基づく教科書をつくることが目的となっています。この育鵬社を支持するのが教科書改善の会です。これはインターネットから得た情報で、昨年の日付になっています。
 すなわち、大藏氏は教科書会社の執筆のための支援者に名を連ね、来年の教科書採択の場で、この会社の教科書を選定するための布石を打っているのではないかと疑われても仕方ありません。もし仮にこの会社の教科書を選定の際に推薦するようなことがあれば、利益誘導ということになります。仮に推薦しなくても、教科書会社の支援者になることは、教育委員の公平中立性を正面から阻害をすることになります。踏みにじることになります。この点について伺いたいと思います。区長は、こうした現時点における大藏氏の企業とのかかわりでも教育委員にふさわしくないと思わないのかどうか、答弁を求めます。
 次に、教育委員の構成について、先ほども質問がありましたが、改めて伺います。
 大藏氏は現在七十七歳、これから三期目の任期満了時には八十一歳。来年また教科書採択を迎えるなど、教育委員としての激務が予想されます。年齢的にこうした激務に耐えられるのか心配をしております。次に出てくる、提案される宮坂氏も七十五歳。教育委員五人のうち、七十歳代後半の委員が二人もいるというのは、余りにもバランスが悪いと思います。女性も一人しかおりません。
 これは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の教育委員会の構成について規定している条項にも反していると思います。条項には、地方公共団体の長は、委員の任命に当たっては、委員の年齢、性別、職業に著しい偏りが生じないように配慮するとしております。私は、年齢構成も性別も、これは著しい偏りと感じております。
 区長は、この地方教育行政法の規定を守って、構成についてしっかり配慮し、少なくても一人はもっと若い人、そして女性を人選すべきと考えますが、見解を伺いまして、質問を終わります。
○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) 藤原議員の本議案に対する質問にお答え申し上げます。
 まず第一番目に、ある教科書の選定にかかわって、その選定した責任があるのではないか、こういうことでございますが、教科書検定制度というのは、戦前は国定教科書、戦後は民間の出版社がつくる教科書を、国の決めた学習指導要領に沿った形で書いた教科書を国が幾つか検定を合格させて、その中から各教育委員会が、また私立であれば各学校が選ぶ、こういう制度ですよね。ですから、今回の教科書も検定済み、その中で選べということになっていますので、きちっと選定したのだから選定責任はない、こう考えております。
 それから関与ということで、幾つかの団体、勝共連合とかいろいろとお話がございました。この間最初のときも、そういうご質問を八年前もいただきましたけれども、直接の関係は全くないというふうに認識をしております。
 それから、教科書改善の会というものとのかかわり方ということで、特定の会社とのかかわりがあるのではないかということですが、お話のあった会社と教科書改善の会とは全く別団体と認識をしております。
 それから、七十代という年齢はどうかということですけれども、先ほども申し上げましたとおり、今の教育委員は四十代一人、五十代一人、六十代一人、七十代二人、こういうことですから、そんなに偏りがあるとは考えない。七十代と八十代にするか、七十代と三十代にするか、その辺はいろいろ考え方はあろうかと思いますけれども、ふさわしい人がいるかどうかという中で検討されるべきというふうに考えております。七十代だから激務に耐えられないということであれば、今、世の中の七十歳代で活躍をして、もっと言えば教育委員以上に頑張っている人なんて、たくさんいますよ。そういった意味では、七十代が激務に耐えられないというふうには考えておりません。
 私からは以上です。
○議長(青木さちえ議員) 三十五番藤原淳一議員。
     〔三十五番(藤原淳一議員)登壇〕
◆三十五番(藤原淳一議員) 若干の再質問をさせていただきます。
 まず、教科書を選定した責任を問う問題であります。検定済みの教科書を採択したんだから何の問題もないというご答弁でありましたけれども、私が問題にしているのは、選んだ教科書の会社が学校現場に混乱を持ち出してきた、こういう点で非常に大きな責任があるのではないかということを聞いているわけです。いろいろ問題が指摘された扶桑社というその会社が行ってきた行為に対して、私は、選んだ責任、これがあるのではないかということをお聞きしましたので、その点についてご答弁をいただきたいと思います。
 それから、つくる会や勝共連合にかかわったことはないというふうにおっしゃっていますけれども、現実に執筆をし、かかわってきたわけですから、これは事実としてお認めをいただきたいというふうに思いますし、現実に教科書選定の審議の際に、つくる会の代弁者となって、ほかの教育委員に、質問状に答える必要があるなんていうことを言っているわけですから、これはもうはっきりとしたかかわりを持っているということでありますので、その事実を見て、区長は認めるという正直な答弁を私は求めたいというふうに思っております。
 それから、教科書会社と現実に密着をしている、これ自体が、教育委員として公平な立場で教科書を来年選べるんですか。それは公平中立性を考えれば、結果的に育鵬社の教科書を推薦をしなかったとしても、すごいおかしいことですよ、一般的に考えても。だから、そこはふさわしくないと。そんな教科書会社の執筆の賛同者になって支援するような立場の人を教育委員として選ぶというのは、これは一般論としてもおかしい話なので、ふさわしくないと思いますので、その点についてもう一度聞いておきたいというふうに思います。
 それからバランスについては、私、八十歳だから激務に耐えられないというふうに単純には言いませんけれども、五人のうち二人は七十代後半、ここのバランスのことを言っているわけですよ。年齢的には七十五歳あるいは八十歳の方がいていいと思うんですよ。やはりその辺のバランス。もっと現場を踏んできた元教師の方だとか、職業の問題でも、私は、しっかり現代の教育を考える上では大事な観点ではないかということを求めておきたいと思いますし、女性をもう一人は入れたほうがいいと思いますので、その辺の性別の問題でも、男性四、女性一という不均衡を私は直すべきだと思いますので、この点についても再度質問をいたします。
○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) 藤原議員の再度のご質問にお答えいたします。
 まず最初に、今回この教科書を選択した責任はやはりあるのではないかということで、学校現場が混乱しているじゃないか、こういうことでしたが、私、学校現場が混乱しているという話は聞いたことないですね。それはいろいろなものを、どう混乱ととらえるかわかりませんが、そういったお話はないと認識をしております。
 この扶桑社の教科書については、余り区長が特定の教科書の名前を言ってはいけないんですけれども、ご質問だったので、どの教科書もしっかり立派に検定を通っておりますから、その中ではどれを選んでもいいんだよというのが日本の国の制度ですから、そういった中で選ばれたものというふうに認識をしております。
 それから、勝共連合その他のいろいろなお話がございましたが、ある新聞に執筆したからといって関与がある、こうなると、私が、あり得ないかもしれないけれども、赤旗に執筆をしたから関与があるか、こうなると、そういうわけじゃないんじゃないか。私は、いろいろな意味で、いろいろなところで自分の考えを述べていくということはあり得るのではないか、こう考えておりますので、執筆が必ずしも関与ないしは直接的なつながりというものではないと認識をしております。
 それから、つくる会等の代弁じゃないかと言うけれども、その事実、それだけを取り上げてそこまで考えるのは、私は少し厳しい見方かなという感じがしております。どんなご意見に対しても、教育委員の方々がそれぞれの見識を持って、いろいろなところから言われているご意見について、その中で議論するということは、やはり開かれていいものではないかというふうに考えております。
 それから教科書改善の会については、当該会社とは全く別の会で、密着しているとは考えておりません。教科書を一般的によくしていこう、おかしなところがあれば少し考えて、研究していこうよというようなことを、一般の国民がそういう会をつくってやることは、全く私は問題ないというふうに考えております。
 それから、年齢の問題もう一度お話がございました。この辺は、私は議員が言われるほど著しいバランスを欠いたものではないというふうに考えております。ただ、先ほどもご質問がございましたように、今後の課題として、その点については承っておきたいと思っております。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 六番小松久子議員。
     〔六番(小松久子議員)登壇〕
◆六番(小松久子議員) では、私からは二問お伺いしたいと思います。
 本来なら、ここでご本人から、二期やってこられて、何ができて、何ができなかったのか、あと一期やりたいんだ、やりたいことがあるのでやらせてほしいというような意思表明をいただきたいところですけれども、現在の法に基づくシステムでは、区長から伺うしかないわけですけれども、ご本人の意思を確認したいと思います。
 ご本人は、あと一期教育委員を務めたいというような意思を表明なさっているのか。なさっていると思うんですけれども、その場合、何をしたいから一期やりたいというふうにおっしゃっているのか、区長、ご存じでしたら教えてください。
 それからもう一点は、大藏氏の教育委員会のあり方に対するお考えです。教育委員会のホームページを見ますと、その中で、教育委員会不要論といいますか、こういうふうに書かれてあります。一部だけですけれども、「教育委員会設置の本来の目的は二重にも三重にも崩壊している。一般行政から独立した教育行政を目指すのならば、まず文科省を解体して中央教育委員会を設置すればよい。」云々なんですけれども、つまり「二重にも三重にも崩壊している。」というふうにおっしゃっている。教育委員は要らないとお考えになっている。その考えを教育委員として発信している方が、これからまだ四年間、ご自分の中に矛盾を抱えながら委員を務めていけるのかなという疑問が、どうしても払拭できません。そういう方をまたあえて推薦するということについての区長のご見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) 小松議員の本議案に対するご質問にお答えいたします。
 まず、今回の大藏推薦候補者の意思はどうかというお話がございました。教育委員につきましては、本人から、私はやりたいということで承るものではありません、どの方も。ぜひお願いしますということでお話をし、そうであったらお受けいたしますという経緯です。
 ただ、これまでの大藏委員の実績は、ほとんどの学校、研究会発表や運動会その他顔を出し、そしてまた校長や教員ともよく話をし、さらに特別支援学級についても、また済美養護学校についても、非常に関心を持って機会あるごとに訪問されています。これはその学校にお聞きすればわかると思います。そういったことで、済美日曜教室や運動会、成人式にも必ず出席されております。
 こういった形で、大藏委員ならではの一つのテーマというものをお持ちで、そしてそれをこなしてこられた、こう考えております。そういったことなどをも踏まえてお願いをして、また引き続きそういったテーマというものを追求して、よりよい教育環境をつくってほしい、こういう思いが一致をした、こういうふうに私は認識をしております。
 それから、教育委員会の今の制度自体について疑問を呈しているということについてどうかということですが、私自身もいろいろと、いろいろな今の法律についても、今ある制度についても疑問を持ちますよ。ただ、その疑問を持つこととその制度に従わないということとは全く別物でして、やはり制度がある限りはその制度の中で最善を尽くす、そういうことをやってこられたと思っております。その制度についていろいろな議論をすることはいいことであり、また、それを務められている人が問題提起をすることも、私は、国民議論を巻き起こす上ではいいことではないかなと、それはそれなりに評価をしていいんじゃないかなと、こう考えております。だからといって、今の制度、法律、規則を破って、それを破壊するというようなことはあってはならない。やはり今の中で最善を尽くす、また、そうやられてこられたというふうに評価をしております。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 二番堀部やすし議員。
     〔二番(堀部やすし議員)登壇〕
◆二番(堀部やすし議員) それでは、教育委員会委員の任命の同意について質疑をします。
 大藏雄之助氏、生年月日、昭和六年十月二十三日生まれの方であります。昭和六年の生まれということになりますと、一九三一年、柳条湖事件の年なんですね。いわゆる満州事変のあった年なんです。大変古い話で、これまでの人生経験を踏まえて、これまで教育委員として活動されてきたことについては一定の評価をしております。しかし、いかんせん、もう既に七十七歳、任期満了まで務めれば八十一歳という後期高齢者の方であるということを考えると、もうそろそろ後進に道をお譲りになったらどうなんだろうかと、こういう感想を持っております。
 先ほど区長は、後期高齢者、七十五を超えてもご活躍の方はたくさんいるんだと、こういうお話でした。それはもちろんそうだと思います。しかし、後進を育てていくということについても、やはり意を用いなくてはならないのではないかと私は考えるわけです。
 こういう言い方をするのもやや問題かもしれないんですが、社会のどんなコミュニティでも、一番年長の方がずうっとそこに居座っていらっしゃると、なかなか若い方が意見を言いにくかったり、意見を言っても、その年長の方の意見につぶされてしまうというようなことが間々――間々じゃないですね、よくある話ですよね。もちろん五人いますから、お一人はそういう大所高所から発言をされる重鎮の方がいらっしゃってもいいと思うんですが、お二人ぐらいいると、同調圧力のようなものが出てきてなかなか意見が通らなくなるというのも、私自身も体験したことがありまして、どんなものだろうかなあと。そういう点で、人選的に、区長はバランスを欠いてないと言っていますけれども、私は問題があるんじゃないかと思うんですね。こういう観点については区長はどういうふうに考えているのか、見解を求めるものです。
 今回ほかに人材はいなかったのかという点についても、ちょっと質問したいわけです。年齢が年齢ですから、ほかのもう少し若い方も入れたいと思っても不思議じゃないはずです。こういった点で探す努力はされたのかどうか、これについては明確に答弁をいただきたいと思います。
 それから第二点目なんですが、過去二期の実績について、少し先ほども小松議員の質問にお答えはありましたけれども、そのお答えは、何か成人式に出席しているとか、実績といっても傍論的なそういう中身でした。具体的な政策や施策という観点からはどういう実績があって、それを区長としてはどういうふうに評価しているのか、この辺を説明いただきたい。
 それから最後になりますけれども、この大藏委員については、杉並区教育委員という肩書で対外的に発言をされたり、何か会に参加をしているというようなことがあるようです。この点については昨日なんかも多少話題になりましたが、私自身も正確に把握をしているわけではありませんけれども、このあたりについてはどういう整理になっているのか。
 つまり、我々議員と違って、教育委員の場合は執行部の一員というふうになるわけですから、一委員の発言だからといって、重みがないわけではないわけですね。最近は有名人の方も、特に大学教授で多いですけれども、テレビに出る場合に、大学教授という仕事はあるし肩書もあるけれども、テレビに出るときは、その大学の意見であるというふうに誤解されないようにするために、評論家という肩書でテレビに出演されてお話をされるなんということもあるわけで、教育委員という肩書で対外的にお話をされるときのルールというか、そういったものについても少し考えていかなくちゃいけないのかなという感想も私は持つわけですけれども、この辺についてはいかが考えるのか。
 大体大きく分けて三点ですが、お答えをいただきたい。
○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) 堀部議員の本議案に対するご質問にお答えいたします。
 まず、年齢等を通じてやはりバランスが欠けているのではないかと、年齢の高い人が上に居座っていると発言ができないという、堀部議員らしからぬご質問でございましたけれども(笑声)、言いにくいと言われても、やはり一騎当千の人を教育委員に選んでいただいておりますので、大橋委員、それから安本委員、そして現教育長、それぞれきちっとご発言をし、それは公開をされて、それで萎縮をしているという状況にはないというふうに私は認識しております。教育委員はそういう意味では、いわゆるクローズな会とは違ってオープンですから、そういった形で、年齢の高い人がいて、その人たちの意見に押されてしまうということはないし、また、あってはならないことというふうに考えております。
 そろそろ後進に道を譲るべきというようなこともありますけれども、一般論としては常にそういうことが大事だというふうには思います。ですから、ずっとというわけじゃない。それは一定の年限というか、それぞれその状況に応じて変わるべきものと思っておりますけれども、一般論としてはそのとおりだというふうに思います。
 ほかに人材がなかったかということで、常に、教育委員の任期が来て次と、こう考えたときに、先ほどもご説明申し上げましたような、そういう考え方のもとでいろいろと探します。そういった中で、大きな目で見てこのお二方に引き続きということで、今回大藏委員にということで考えた上でご提案申し上げているということです。
 それから、これまでの実績についてなんですけれども、ご存じのように教育委員会委員は、今お話しいただいたような何か実績ということになりますと、合議制ですから、一人が走り回って何かを実現するという組織ではございません。そういった意味では、これまで四年間にかかわった杉並の学校支援本部、地域運営学校、師範館、区費教員の独自採用、また三十人程度学級の実現など、こういったものについて、杉並区の教育改革について積極的なご発言をされ、ご提言をいただいてきた。
 中でも、私との、年に一回教育委員との懇談というのが公式に設けられておりまして、区独自の学級規模ですね、今回は三十人程度学級ということになりましたけれども、学級規模の縮小ということは大藏委員の年来の主張でございまして、こういったご主張をお聞きしながら、平成二十年度から杉並区の小学校に三十人程度学級が実現されたというのは、大藏委員の一つの大きなご実績ではないかと、こういうふうに認識をしております。
 それから、教育委員は執行機関でもあるので、この肩書で出ていくのはどうかということですが、これはそのところの発言で個人の発言ということで断って、杉並区教育委員会としてはこういう意見、自分としてはこういう意見ということで、それぞれ良識の中でお断りになって発言をされていくべきだと、こう思っておりますし、この辺は、教育委員というふうに肩書がついたところで、杉並区の教育をすべて握って、それで実行しているというふうに世の中としては受け取っているものではないと思います。一つの責任ある立場にあるんだということを背景にした発言というものも、一面、いろいろな議論の中では大事なことでありまして、そういった点では、そういうことを個人個人の良識の中でお考えになられたらいいんじゃないか、こういうふうに考えております。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 二番堀部やすし議員。
     〔二番(堀部やすし議員)登壇〕
◆二番(堀部やすし議員) 再質問します。
 教育委員については、非常に闊達に議論が行われているかのような答弁がありました。教育委員会の状況をごらんになった方、あるいは会議録をごらんになった方はおわかりだと思いますけれども、教育委員会の意見の状況というのは大変低調ですよね。議会の場合はしゃべりたい人がたくさんいて、なかなか二時間を超えて話していると、早くやめろみたいな、そういう圧力のある、とは言いませんけれども、雰囲気になることが間々あるわけですが、教育委員会は、まことにあっという間に終わってしまうんですよね。具体的に何分で終わっているとは言いませんけれども、本当にあっという間に終わっているんですよね。私も三十代、もうすぐ四十代になりますけれども、話したいことはいっぱいあるわけですよね。若ければもっといろいろなことを話したいと思うと思うんですが、余りそういう感じじゃないんですよね。何か同調圧力のようなものがあるんじゃないかなと、私のこれまでの議会活動経験を感じる中で少しそういう懸念を抱いたものですから、そういうふうに先ほど質問したわけなんです。
 区長は、こういう現状の教育委員の言論状況というか、議論の状況、発言の状況がやや低調であることについては問題意識はお持ちではないのか、その辺について確認をしておきたいというふうに思います。
 それから、私は先ほど、他に人材はいなかったのか、探す努力をしたのかどうかということについて聞いたわけですけれども、その辺はちょっとはっきりしませんでしたね。探す努力をされたのかどうなのか、ここははっきりと答弁をいただきたい。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) 堀部議員の再質問にご答弁申し上げますが、まず第一点の教育委員会の議論は低調ではないかと。私も余り出ていって傍聴などしておりますと、またいろいろな議論がわきますので、それはなかなかできないことではありますが、でも、いろいろと聞いておりますと、杉並区だけではなくて、ほかの教育委員会ですね、全体的に教育委員会全体の議論がややというか、問題があるなというのは私も感じております。
 それはなぜかというと、委員に問題があるというよりは、教育委員会の委員制度に私は問題があると考えていまして、何でもかんでも全部そこで採決し、決めなきゃいけないというようなことになりますと、ごらんいただいたとおり、第一議案、第二議案、だだだだっと次から次へと出てくる。そういうことまでやらなきゃいかんのかということになると、さっきも議員のご質問のとおり、執行機関、独立した行政機関としての教育委員会というもののあり方が、議案に対する一つのそういう、ある面である人から見れば、もう少し議論があったほうがいいのになというようなものが出やすい環境にもあるんじゃないかなと、こう考えております。
 ですから、教育委員会の年齢構成によって、年齢の上の人がいるから発言しにくいというふうなことは教育委員会にはないと思っていますし、あってはならないというふうに考えております。一般の区内のさまざまな団体の中でも、年齢の上位の人がなるべく若い人の意見を引き出そうという人たちもおりますので、今後、年齢の高い人の義務としても、若い人になるべく意見を求めていくということは非常に大事なことではないかと考えております。
 それから、ほかに人材を探さなかったか、先ほどもご答弁申し上げました、いろいろと今回提案するに当たって考えました。さまざまなことを考え、さまざまなことを思い浮かべ、そして全体の判断として今回の議案の提出になったということで、努力はいたしました。その中で今回の提案ということでございます。
○議長(青木さちえ議員) 一番けしば誠一議員。
     〔一番(けしば誠一議員)登壇〕
◆一番(けしば誠一議員) ただいま提案されました教育委員会人事案、大藏委員に対して、何点か区長に質問いたします。
 昨日――失礼いたしました。ちょっと……。(「おりちゃだめだよ、議会のルールとしてだめだよ」と呼ぶ者あり)昨日の質疑で大藏委員が――議長、失礼しました。
 昨日の質疑で、大藏委員が新しい歴史教科書をつくる会そのものであることが改めて確認できました。従軍慰安婦問題こそ、つくる会が最も重視して教科書からの削除を求めて、全力を挙げてきた課題でした。
 つくる会自体が、一九九六年六月に、翌年から使われる中学校歴史教科書全社に従軍慰安婦の強制連行が記述されていることが明らかになったことを見て、高橋史朗氏、西尾幹二氏らが設立記念記者会見を行い、九月一日に発足したものであります。その主張は、モンタナ大学で大藏氏が述べた内容どおりであり、当時の公娼制度の一つであったということです。
 大藏委員が昨日披瀝された答弁により、つくる会の有力な賛同者であったことを改めて確認したと私は受けとめましたが、この観点から区長の判断を求め、以下何点か質問いたします。
 まず第一に、区長はつくる会をどのように評価されているのでしょうか。
 アメリカ議会に慰安婦決議が提出されたことを機に、河野談話の見直しを求める動きや、政府に、軍や官憲による強制連行はなかったとの見解の表明を求める動きが噴出しました。その折、区長は、つくる会の呼びかけた、米下院の慰安婦決議に抗議する申し入れに、首長としてはまれな、二人だけそれに名前を連ねていました。区長自身、つくる会に賛同していると思わざるを得ませんが、この点は率直にお答えください。政治家としてどういう団体を支持しようとも、どういう団体を評価しようとも、それは政治家の自由でありますから、その点はしっかりとお答えいただきたいと思います。
 第二に、今申し上げたように、政治家が政治団体に加わったり政治活動を行うのは、その本務というべきものであります。しかし、教育委員にあっては、それは地方教育行政の組織及び運営に関する法律の十一条に厳しく禁じられていることであります。昨日教育委員会の答弁もありましたけれども、この法の趣旨と運用の仕方について、区長のお考えをお聞かせください。
 昨日、教育委員会次長の答弁は、狭い意味の政党というふうに解して、政党に所属さえしなければ、教育委員がどんな政治活動にかかわっても自由であるかのように述べました。政治的中立性を保障するための法の意味をゆがめる解釈であります。この法の趣旨と運用の仕方、そういう点からも、教育長にも同時にこの見解を求めます。
 第三に、大藏委員がこれまでかかわってきた団体及び現在かかわっている団体が政治団体であるかどうか、また、その活動は政治活動に当たるかどうかの判断を求めます。
 先ほどからも指摘されているその一つは、国際勝共連合です。大藏氏は、教育委員に選任されるまで、この団体の機関紙、世界日報に常設コラムを持っているんですよ、区長。単なる、一回区長が赤旗に執筆したなんという話じゃないんですよ。そういう一回だけだったらあるかもしれない。だけれども、常設コラムですよ、ずっと。まさに国際勝共連合の代表的執筆者として機関紙作成に加わってきたことであります。これで国際勝共連合と無関係などという区長の答弁は通用しません。
 国際勝共連合は、共産主義運動を打倒対象とする政治団体です。その宣伝活動自体は政治運動にほかならないことは明らかです。教育委員選任後も、実は大藏雄之助氏はこの団体の賛同者の筆頭に、教育委員の肩書をつけて挙げられています。インターネットで調べていただければすぐわかることであります。昨日の答弁で、大藏氏は、つくる会との関係は勝手に載せたんだというふうに答弁しましたが、この国際勝共連合の六人ぐらいですね、主な賛同する知識人というところがありまして、その筆頭に載っているわけでありますから、それについて当然区長の判断が必要であります。
 勝手に載せたと言いますけれども、名前を勝手に載せるということはあるかもしれませんが、肩書というのは、その肩書が今現に生きているかどうかということも含めて、普通必ず問い合わせがあります。ですから、肩書が本人の了解なしに載ることはありません。ですから、大藏雄之助氏はあえて教育委員会という肩書を使っているところと、それから後で述べますけれども、教科書を改善する会は、さすがに教科書にかかわっているところだから、教育委員会という肩書は載せてないんですよ。何とか文化研究所みたいな肩書を載せているんですけれども、そういう使い分けをしているんです、本人がきちんと。ですから、この点のしっかりした区長の判断を求めます。
 第四に、つくる会との関係です。昨日、改めてインターネットのつくる会というのをホームページで引いてみました。しばらく引いてなかったんですけれども、そこに出てくる賛同者等は、前会長であった八木秀次氏が退いた後の新しい体制で、会長、副会長等々の人事が載っています。
 その主張、運動、教科書採択を目指す方針や総括、会則や会員の規程などを調べてみました。会員になるためには年六千円、正会員は一万二千円を払って、会報を年六回受け取るわけでありますから、よっぽどの人でない限り一万二千円というのはちょっと出せないでしょう。一般の人が会員になるのは難しくて、賛助会員十万円とか、法人会員二十万とかいうことがありますから、恐らくそういう企業等の援助を受けているのかもしれません。
 方針は、つくる会教科書の採択を求める運動というふうにはっきり政治的目的が掲げられているんですよ。当面、今掲げている方針は、第一に平成二十一年の教科書採択に向けた活動、第二に新しい教科書を広める活動、第三に日本文化の再認識運動を展開するというふうに語っています。これは一〇〇%政治活動ではないんですか、区長。
 大藏氏によれば、勝手に名が使われていたと昨日ごまかしていますが、八木氏とともにつくる会を離れた後は、やはり名前を消しているんですよ。ですから、つくる会にはもう彼の名前は出てきません。やめた後、今度は八木氏とともに新しい団体に名を出しているんです。先ほど申し上げたように、本人の了解抜きにそうした掲載がなされるということは考えられません。
 第五に、現在大藏氏が所属するのは、今申し上げた八木氏とともにつくられた日本教育再生機構です、及び教科書改善の会です。これが政治団体であり、区教委の昨日答えた狭義の政治団体、つまり区の教育委員会は、何か自民党とか共産党とか、そういう政党に所属していなければいいんだというような昨日の答弁、これはおかしいんですよ。そういうことを言っているわけじゃないんですよね。つまり政党ということではなくて、政治活動、政治的な中立性とかあるいは思想的な公平性、中立性を守るために、そうした政治活動や政治団体に入ったら問題になるという趣旨から、あの規定はつくられているわけですよ。政治活動、政治運動というのは、主義主張を掲げた一定の政治的目的の達成のために行う運動を言うのであり、先ほど申し上げた国際勝共連合は言うまでもないことです。つくる会は、独特の歴史観を持って自らつくり上げた教科書の採択を目的にして活動することを規定している、まさに政治団体であります。
 今、大藏雄之助氏が参加している改善の会も、まさにそこから離れた八木秀次氏らが結成した政治団体なわけです。その政治目的は、憲法九条を改定するために大日本帝国憲法の復活を求めることを柱に、多岐にわたるものがありますが、これはこの場で詳しく述べることを避けますけれども、政治運動と言わざるを得ない。区長の見解を求めます。
 第六に、大藏委員の教育委員としての言動についてであります。教育委員にふさわしいかどうかという問題です。
 昨日、モンタナ大学の発言が他会派から取り上げられました。大藏委員自ら答弁され、委員の思想や人間性の一端を知ることができました。大藏委員の発言は独自のお考えではなく、先ほど申し上げたように、すべてつくる会と同一の考え方なんです。その論理も、従軍慰安婦は公娼制度であった、当時、女子挺身隊というものがあったが、女子挺身隊は慰安婦ではない、だから、それを西野瑠美子さんにも教えてやったというものでした。これは典型的な詭弁です。
 大藏氏自身こっそりと、少しはあったようだがというようなことをちらっと言っていましたよね。従軍慰安婦が二十万人などというのは女子挺身隊のことであって、軍隊のさまざまなことを手伝った者を慰安婦と誤解していると述べている。詭弁の典型的なやり方で、ある重大な事実を否定するために、こんな大きな別なものを出してきて、その一部にあるものを否定するためにそれ全体を否定する、これは典型的な詭弁なんです。
 つくる会は、証言はあるが物証はないと主張しています。敗戦時、すべての資料を焼き払った軍に証拠は乏しく、証言が証拠の柱となっていることは事実です。しかも、それは、膨大な生き証人がいながら、自ら語ることをはばかられる出来事です。思い出すのも嫌な事実です。死ぬ間際に、娼婦などと言われ、奪われてきた尊厳を取り戻したいとの勇気を奮った証言であります。金学順さんが立ち上がり、それをきっかけに次々とあらわれたんです。それに耳をかさないのは、そもそも人間としての思いやりや人権感覚を失った最低の人物ではないのでしょうか、区長。それが人の上に、子どもたちの教育を語ることを認めることはできません。区長の見解を求めます。
 第七に、大藏委員が、杉並区教育委員会のホームページで個人的見解をあたかも教育委員会の総意であるかのように主張し、展開していることの問題です。
 この内容は多岐にわたるんですが、先ほど指摘された問題、教育委員会無用論は、これはやはり問題でありまして、それも私、感じました。
 それともう一つ、義務教育無償原則を否定し、教科書無償交付を国費の無駄遣いと批判している点です。
 先ほどの教育委員会無用論は、区長と同様の考え方でありますから、この点は区長に賛成した意見であると思いますが、こうした、個人のブログや機関紙に出すならともかく、教育委員として、個人としては言ってはならないようなことを教育委員の肩書で、しかも教育委員会のホームページで主張する、これはいかがなものでしょうか。資質に欠けると考えますが、いかがでしょうか。
 最後に、この人事こそ、来年にある教科書採択のためだけの目的で再び選んだ人事ではないかということであります。
 先ほど教育委員会の中での議論が紹介されました。私も何度か傍聴しました。そして、先ほどの堀部委員と同じ感想をいつも持ちました。議案というのは議会の中では最大の問題ですから、大変、それに向かって賛成の立場、反対の立場から意見があります。ところが、教育委員会で議案についてそうした賛否の議論がなされた試しはありません。
 とりわけこの間、杉並区教育委員会は神明中学の統廃合等、さまざまな住民の中の大変な問題がまず教育委員会の中で報告があり、論議されるんです。しかし、統廃合というこの重大な問題について、教育委員会の中で、住民の立場あるいはまた区の立場も含めて議論されたということは私は見ていません。
 ところが、そうしたときにほとんど意見を言わない大藏氏や宮坂氏は、教科書採択時になると大変発言します。大藏氏の場合、恐らくすべての教科書のあら探しのために絶えず時間を使っているんじゃないかと思えるぐらい逐条的に、てにをはの誤りまで突くということであります。まさにそういう意味では、この大藏氏の再任は、大藏氏のこうした言動からも、教育委員会における姿勢からも、つくる会教科書採択のための人事であるというふうに思わざるを得ませんが、その辺の区長の答弁を求めて、質問を終わります。
○議長(青木さちえ議員) けしば議員にご注意申し上げます。
 ただいまのような場合は、今後は議長に必ず許可をとっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) けしば議員の本議案に対するご質問にお答え申し上げます。
 ちょっと質問通告を受けているわけではありませんので、答弁漏れはお許しをいただきたい。もし漏れておれば再度ご質問いただきたい、こう思っております。
 順番に行けるのかわかりませんが、まず最初、つくる会について私は賛同しているのかということですけれども、つくる会は一つの団体であり、そういう認識はありますけれども、別に賛同しているわけでもないと考えております。これはこれで活動されているというふうに認識をしております。
 二番目、地教行法十一条、これ読み上げます。「委員は、政党その他の政治的団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。」これが十一条の条文であります。このことについて、例えば勝共連合、またつくる会、教育再生機構、こういったお話でございましたが、まず勝共連合について、コラムを常設だと言うんですが、先ほどと同じで、いろいろなところにいろいろな形で、月刊誌も含めて、コラムを持ったり書いたりすることは、ここだけやっていれば別ですけれども、いろいろといろいろなところに出されていますよ。ですから、そういった意味では、ワン・オブ・ゼムの執筆の話であって、この団体と関係があるというふうには認識しておりませんし、本人もそう言っております。
 それから、つくる会その他については、これらは政治団体ではありませんので、この条文には抵触をいたしません。また、この条文の中の、もう一回読みますと、「政党その他の政治的団体の役員となり」と、役員ですよ。しかも、政治団体、これは届け出が必要なんですよ。役員になっているか、なっていませんよ。政治団体でもないでしょう。それから「又は積極的に政治運動をしてはならない。」、ここは、または政治運動をしてはならないとかいうのではなくて、さらに限定して「積極的に政治運動をしてはならない」、こう書いてあるわけですね。その法律的な解釈につきましても、政党や政治団体の役員たるような形での運動、こういうものと解釈すべきであって、つくる会も再生機構も政治団体ではありませんし、また、積極的に政治運動を大藏氏がしているということもないというふうに考えております。
 それから、これまで、昨日の大藏委員長の答弁がございました。それをお聞きになってそういうご感想を持たれたということですけれども、それはけしば議員のご感想であって、それでうんと思われた議員さんもいらっしゃるでしょうし、私としては、大藏委員の言動、お話というのは、大藏委員なりのお考えで述べられているものというふうに考えておりまして、例えばその考えがけしからんから教育委員はけしからんということだったら、いつも共産党の方には申しわけないんですけれども、共産主義的な考えを持っているから教育委員はけしからんという、それを助長することになりますよ。(発言する者あり)ちょっと答弁しているから聞いてくださいよ。思想の内容によってとか、その言動によってどうだこうだと、その人の考え方によって委員をどうこうすることになることは、思想による差別につながると私は考えていまして、そういうことを持ち出すのは適切でないというふうに考えております。
 それから、大藏委員が教育委員会の中でのコラムでいろいろと発言されていることについては、先ほどの小松議員のご質問にもお答えしましたように、委員としては、会議その他公務を通じて職責をきちっと全うされているわけですね。
 もう一方で、教育委員会というのは、先ほどもご質問があったように、では、大藏委員は何をしたんだ、何を考えているんだ、どういう主張をしたんだ、どういうことを言ったんだということ、顔が見えないということも一方で現在言われているわけで、そういった点にこたえて、大藏委員は委員の一人として自分の名前で、こうあったらいいんじゃないか、あああったらいいんじゃないかと、顔の見える教育委員として発言をされているということは、けしば議員には内容はいただけないかもしれませんが、私は、そういった意味での活動については悪いことではないんじゃないか。教育委員としてきちっと職責を全うされる、公務を全うするということが一番に求められていることでありまして、そのことはきちっとやってこられたということは、だれの目にも明らかではないかと考えております。
 それから、教育委員会自体は非常に議論が低調だと。これは、堀部議員のご質問にもご答弁申し上げましたように、全体的に、日本全国と言っていいですね、教育委員全体がそういうような批判を受けやすい状況になっている。これは私は教育委員会制度そのものが、前から申し上げているとおり、やはり問題があると思っていまして、どうにかせにゃいけないなと、こう思っておりますけれども、しかし、教科書採択のときに発言をされたということですが、それは大事な問題ですから、と考えて発言されたんじゃないでしょうか。それはいろいろな意味でそういうことをそれぞれの委員が認められて発言をされる。
 全体を通じて、先ほども何度も申し上げておりますけれども、国の制度は検定制度です。検定で合格をした教科書の中から、国が認めた教科書の中から、数社の中から各教育委員会が選びなさいということで、国全体としてはどの教科書を選んでも国の水準を満たしていますよということを言っているわけでありまして、その点について、どの教科書を選んだらいいかということについてはいろいろとご議論があってしかるべきと、こう考えております。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 一番けしば誠一議員。
     〔一番(けしば誠一議員)登壇〕
◆一番(けしば誠一議員) ただいまの答弁に何点か再質問いたします。
 つくる会について、一つの団体で、賛同しているわけでもないということだけだったんですが、賛同してなくても、これだけ議会で問題になるような、あるいは今回の杉並で教科書採択を推進する団体として無視できないといいますか、別に単なる右翼的な一団体の話をしているわけじゃないんですよ。ですから、賛同していないと言うならば、それは受けとめましょう。
 評価、つまり、つくる会の主張していることとかそれから展開していることが、私は議会で何度か山田区長の答弁を聞いて、区長のオリジナルじゃなくて、ほとんどその思想というふうに私は毎回聞いているんです。ですからその点も含めて、たまたま一致しているのか、あるいはそういう一致しているつくる会という団体とその活動や思想について、一般論として区長がどういうお考えを持っているのか。これだけ問題になっている団体ですから、あらゆる私たちの会派のビラなんかに出てくる団体なので、それはぜひ示してください。
 二つ目に、国際勝共連合の機関紙である世界日報のコラムに何書いたって自由じゃないか、いろいろなところに書いているというふうに答弁されました。いろいろなところに書いているんでしたら、ほかにどんなマスコミ――大変な部数の出ている新聞ですよ、世界日報は。ほかにどういう新聞に書いているのか示してください。私の判断では恐らくそこだけでしょう。ほかの新聞では掲載できません、あんな思想は。ですから、国際勝共連合の新聞だけだというふうに、そこだけでしたら、そこだけに常設コラムを持っているとしたら、一つのそれは政治的、思想的傾向を示しているわけですから、問題だというふうに思いますので、そうでないと言うならば、ほかにどのようなマスコミに、どのような中身を掲載しているかということを示してください。
 先ほど質問した中で答弁漏れは、勝共連合の団体の六人ぐらいの、最もこれに賛同している知識人の筆頭に、彼の名前が教育委員会という肩書で載っていることです。これについては答弁がありませんでした。私は、当然、肩書つきだから、本人の了解抜きにあり得ないというふうに指摘までして、この点についての判断を求めたわけでありますので、この点についてはお答えください。
 それから、区長は思想による差別だというふうにおっしゃいました。私、別に、ある特定の思想を持っているから悪いというふうに言っているのではないんですよ。つまり教育委員だからということが前提なんですよ。人はどんな思想を持ち、どんな価値観を持っても、まずはそれは当然にも自由でありまして、それはきちんと論議していけばいいことでありますが、私は、教育委員会の教育委員として、しかも大藏さんは今代表委員ですよね。その代表委員として、今挙げたようなそういう幾つかの言動は問題なんじゃないかというふうに言っているのであります。決してこういう思想だから大藏委員に反対というふうに――その思想も、教育委員としてそれをおのれが表明するということを問題にしているんですよ。そこのところをごまかさずにお答えいただきたいと思います。
 先ほど、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の十一条の問題についての区長の考え方が出されましたが、これ、条文なんかのつくり方は、区長、逆なんですよ。例えば何々の後に「等」というのをつけると、それによって膨らむわけ。そういうふうにつくる場合、限定していくんじゃないんですよ、条文の場合には。つまり、ある規定をするとそれだけに限定されちゃうから、だから、そういう中身をもう少し広げる問題を並べていくわけ、つける場合に。だから、例えば政治団体という場合に、政党というと本当に政党なんですよ。限られるんです。政治団体ということになると、それはもっと広がるわけよ。だから、あえて政党というそんな狭い問題じゃないんですよというふうに加えるわけ。これは条文のつくり方なわけ。その後、積極的に政治活動を進めるというのも、その中の、政党の中の積極的に進めている人だけというんじゃないんだよ。そうじゃなくて、仮に政党、政治団体でなくても、積極的に政治活動を、政党じゃなくたって進めている人も含めて、そういう政治的な偏った人はだめだよというのがこの十一条なわけ。
 条文のつくりというのはそんなことは百も承知だと思いますよ。だから、このときだけそういうごまかしはやめていただきたいということですよね。ですから、私が先ほどから指摘しているような大藏委員の活動は、この条文にやはり違反するという観点から、改めて答弁を求めます。
○議長(青木さちえ議員) 理事者の答弁を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) けしば議員の再質問にご答弁申し上げます。
 まず、いわゆるつくる会のことについての評価ということなんですけれども、私は、つくる会がどんな思想を持っているかつぶさに知りませんので、評価しようがない。私の意見は私の意見ということですから、その団体がどんな考えを持っているのか全くわかりません。ですから先ほども、この団体に対しての姿勢というのは全く無色ということを申し上げておきたいと思います。
 それから、世界日報のコラムの件なんですけれども、ほかにあるかということなんですが、ちょっと事前にそのことをお聞きしていれば正確にお話しできたと思うんですが、ひょっとすると間違っているかもしれない。だけれども、例えば「潮」とか「自由」という月刊雑誌に過去執筆をされたというふうに、そのほかいっぱいあると思いますけれども、聞いています。後でリストも出しましょう。そういう意味で……(けしば議員「『自由』というのは自由社で、もう一つの教科書を出す会社だよ」と呼ぶ)ちょっと、「潮」は、では。一つだけ言っちゃだめですよ、けしばさん。
 それから三番目の質問、教育委員としてこういう考えを持つのはいかがなものか、こういうお話ですけれども、そのことを私はまさに言いたいので、教育委員としてというか、どんな人を教育委員に選ぶかということを今やっているわけですけれども、この考え、こういうことを言ったからだめというようなことをやり始めたら、さっきも言ったように、共産主義思想を持っているからだめということも認められちゃうわけです。ですから、そういった意味では、そういうことで物を判断するのではないということだと考えております。
 あと、この条文の解釈についてですが、もう一度読みますと、「委員は、政党その他の政治団体の役員となり、又は積極的に政治運動をしてはならない。」ということで、法ですから、「その他の政治団体」という場合は、きちっと届け出をしてあるいわゆる届け出の政治団体。ですから、この二つはそういう政治団体ではありません。まして役員でもない。
 「積極的に政治運動」というか、この前の条文とあわせてこの内容を判断するというのが、裁判所でもどこでもやっていく文理的な解釈であって、そういうことを受けて、その他積極的に政治運動、だから、同じような程度の政治運動をしてはならないということなので、素直に読めば、文理解釈は私の申し上げたとおりと。もしそのことで問題があるんだったら、法廷でもお訴えになられたらいいんじゃないかと、こう考えております。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) ほかに質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(青木さちえ議員) 質疑はないものと認めます。
 意見はありませんか。
○議長(青木さちえ議員) 三十三番小倉順子議員。
     〔三十三番(小倉順子議員)登壇〕
◆三十三番(小倉順子議員) 日本共産党杉並区議団を代表しまして、ただいま上程されました議案第八十七号大藏雄之助氏の教育委員会委員の任命の同意について、反対の意見を述べます。
 教育委員とは、教育全般にわたって広範な権限を持つ教育委員会を構成する重要な任務であることは言うまでもありませんが、この間出されている地方教育行政の組織及び運営に関する法律の教育委員会の設置についてによりますと、「委員の任命に当たつては、委員の年齢、性別、職業等に著しい偏りが生じないように配慮するとともに、委員のうちに保護者である者が含まれるようにしなければならない。」となっています。
 九月議会では、前丸田教育委員会委員長にかわって現役の子育て世代の方が選出されたことは、記憶に新しいところです。にもかかわらず、今回の選任で、大藏雄之助氏は七十七歳と子育てとはかけ離れた世代である、年代であるということです。また、現場の教師経験者も全くいない。教育長は経験者ではありますが、教育委員の方で教師の経験者がいないということもあります。
 それに加えて、現在の子育てや教育の大部分を担っている母親ということを考えますと、現在の教育委員会の男女比は四対一と、圧倒的男性偏重であること、バランス的にももっと女性の比率を高めてほしいというのも反対の理由です。
 そして大藏氏は、前回、前々回の選任のときも問題になりましたが、霊感商法などで有名な文鮮明が率いる統一教会の機関紙である世界日報の常連執筆者であったことです。
 また、二〇〇〇年のモンタナ大学の国際フォーラムで、従軍慰安婦はいなかった、売春婦だったと発言しました。この発言について我が党が区長にただしたところ、事実無根であり、本人を信じると言うばかりです。何をもってそう言っているのか論拠も示しておりません。しかし、その後、二〇〇一年の四月十日付の統一日報の報道によりますと、二〇〇〇年十二月十一日、在日本大韓民国民団東京杉並支部と婦人会は、杉並区長応接室で、某区議会議員立ち会いのもと、大藏氏のモンタナ大学発言について抗議を行い、大藏氏は抗議に対して、従軍慰安婦は売春婦という歴史誤認について認め、謝罪したというものです。
 また、この報道について、我が党の調査では誤りがないと証言をする人が多数存在しています。にもかかわらず、杉並区は、大藏氏のモンタナ大学発言も民団の抗議に対する大藏氏の謝罪の事実も認めようとはしていません。
 大藏氏は公式の席で歴史の史実をゆがめる発言をしながら、その事実を区民にひた隠しにしています。このような不透明な人を教育委員に選任してきた区長の責任は重大です。
 大藏氏は、本日この後提案のある宮坂氏ともども、区民が一番危惧していた歴史の史実をゆがめた歴史教科書、つくる会教科書採択を最大の任務として送り込まれた人物です。
 二〇〇一年の採択時にも、現場の教師が不適格とする扶桑社版のつくる会歴史教科書を絶賛していました。平和を願う教科書について異論を唱え、一揆についても好ましくないと発言するなど、権力者や戦争を批判する者を排除する思想が見てとれます。二〇〇五年の教科書採択時にも、ある国語教科書について、戦争の作品がたくさん入っています、戦争は悲惨なことで、日本が非常にたくさんの問題を起こしたことも事実ですから、教材に取り入れることに反対しません、けれども、その悲惨なことをそのまま書けば、子どもたちが戦争は嫌だと思うとか反省するとか、そういうものではないと思うなどと、一見戦争を批判しながら、それがどうしたのかといわんばかりの発言でした。
 戦争の悲惨さにはさまざまなケースがあるはずです。それぞれのケースによって、受けとめる人の共通項があれば、より身近に感じられるし、語って語り過ぎるということはありません。特に子どもたちには、日本が自ら起こした侵略戦争という愚かなことは絶対に繰り返してはならないことを伝えなければなりません。その痛ましい経験の上に立って、憲法九条がつくられたのです。
 大藏氏は、二〇〇五年の歴史教科書採択時に、つくる会教科書の記述の中で、日本の将兵は敢闘精神を発揮してよく戦ったなどとの記述があり、この記述について他の委員が、家、家族を失い、食べ物もなく苦しんだ普通の人々のことも書くべき、唯一の被爆国としてその甚大な被害についてもきちんと書くべきと思う、日本に都合の悪い歴史の事実を書かないことで、その行間に戦争に向かうのではないかと不安を感じたという発言をしました。それに対して、どこが戦争を進める教科書なのかと問い詰めるようなこともしていました。
 なぜこの委員が不安を感じたのかといえば、大藏氏、宮坂氏という二人に共通する、史実をゆがめる歴史観、それを裏打ちするこれまでの発言、何よりも現場の教師が不適当とする扶桑社版の歴史教科書を強力に推し進めようとすることに不安を感じたのではないでしょうか。
 新しい歴史教科書をつくる会は、扶桑社版のつくる会歴史教科書の採択が全国で〇・四%に満たなかったことから分裂し、扶桑社版つくる会歴史教科書の著作権をめぐり、教科書執筆者が発行元の扶桑社に発行停止を求める訴えまで起こし、学校現場にも混乱を起こしています。こうした教科書を採択した区教委の責任も重大です。
 自衛隊の前航空幕僚長がアパグループの募集した懸賞論文に応募した論文で、我が国が侵略国家だったというのはぬれぎぬだと主張して更迭されました。この田母神俊雄氏という人物が二〇〇三年統合幕僚学校長のときに新設された、歴史観、国家観の講義を行う講師陣には、新しい歴史教科書をつくる会の会長、副会長を初め、つくる会役員がほとんどであったことが、十一月十一日の国会で日本共産党の追及で明らかになりました。
 現在、つくる会が分裂後、新しく日本教育再生機構を立ち上げた八木秀次氏などとともに行動しているのが大藏雄之助氏であり、杉並での教科書採択という問題は、単に一自治体の問題にとどまるものではないというのが、この事実を見ても明らかではないでしょうか。かつての日本の軍国主義教育が日本を侵略戦争に導いた事実を考えると、大藏氏のような人物が杉並の教育委員として子どもたちの教育にかかわることに大きな危惧を抱くことは、区民として当然のことです。
 原水爆禁止発祥の地、平和都市宣言をして二十周年になります。平和をより強く求める杉並区民にとって、教育委員には、憲法を守り、平和のとうとさを子どもたちにもしっかり伝えられる人物でなければなりません。したがって、大藏雄之助氏は最も教育委員にふさわしくないと考えます。
 以上、反対意見といたします。
○議長(青木さちえ議員) 二十一番小野清人議員。
     〔二十一番(小野清人議員)登壇〕
◆二十一番(小野清人議員) 社民党・みどりの小野清人です。会派を代表して、議案第八十七号杉並区教育委員会委員の任命の同意について、反対の立場から意見を述べます。
 教育委員会とは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づき、区の教育行政を執行する行政機関として設置され、区立学校その他の教育機関を管理するとともに、区の教育行政についての基本方針や計画を決定しています。杉並区教育委員会は任期四年の委員五人で構成されております。その役割は教育行政にかかわる決定機関であり、多岐にわたり重要な機関であることはご承知のとおりです。
 ただいま提出されました議案第八十七号教育委員会委員の任命の同意は、本区において平成十二年十二月から教育委員に就任されました大藏雄之助氏の再任への同意ですが、今回こうして意見を述べるのは、次に提出されます宮坂氏と合わせて、これが三回目となります。
 八年前、私は、当時上映をされました深作欣二監督の「バトル・ロワイアル」という映画を引用したんですけれども、この映画はR十五指定というふうに年齢制限がされた映画でありました。この映画を例に出しまして、人によってみれば、高齢の人が見る場合、若い人が見る場合、いろいろな見方がある、このR指定がいいのかどうか問題点はさまざまな観点から見ることができるという意見を述べたと思います。今でも、先ほどから年齢のことが議論になっておりますけれども、バランス感覚という意味では、私も欠けた人事になっているというふうに言わざるを得ません。
 この間に行われてきた杉並の教育行政について、とりわけ教育委員の重大な役割である教科書採択については、私どもの考える教育とはかけ離れた考えであり、到底看過することはできないと考えております。
 前回、平成十七年八月に大藏氏が採択を主張された教科書は、先々週ぐらいですかね、十一月十五日の朝日新聞によりますと、各地の教育委員会による採択では振るわず、歴史〇・四%、公民〇・二%と、目標の一〇%に遠く及ばない結果となりました。また、発行元の扶桑社は、これ以上つくる会と教科書を出すのは困難と判断、つくる会側によると、現行の教科書への教育委員会の評価は低く、内容が右寄り過ぎて採択がとれないと発行元から説明があったとの記事が掲載されていました。
 私ども会派も、この教科書は偏りがあり、大変問題だと考えております。
 学校選択制についてですが、これは大藏委員だけの問題ではありませんが、この制度には賛否、議論も多くあるところですが、現実に格差を広げているという意見があり、風評により、人気のない学校は生徒の減少に拍車をかけるといった実態が浮き彫りとなっています。また、「地域の力」がある種キーワードとなっている昨今、地域の方々も生徒たちの顔が見えづらくなっていると考えます。この学校選択制の問題の是非、あるいは制度改変への取り組みが不十分と考えます。
 我が会派は、杉並師範館の問題、これもずっと追及をしておりますけれども、また、和田中の夜スペの問題、きのうも議会で取り上げられましたけれども、たくさんさまざまな問題点を抱えておりますけれども、今の杉並の教育行政はこれらを改善することができていない、是正することができていない、制度改変ができていない、問題があると考えております。
 さきの定例会でも述べたとおり、教育委員には、現場第一主義で行動をしていただきたいと考えております。
 一つに、教科書採択の際に現場の意見を吸い上げ、区民ニーズを積極的にとらえ、透明性の高い選択をしていただきたい。二つ、児童生徒の授業等は、不必要なイベントを行うのではなくて、授業などにゆとりを持たせること。三つに、PTAや学校現場の意見が教育委員会に届くような取り組み、これらを重視した教育委員の人選を求めるところであります。
 よって、議案第八十七号教育委員会教育委員の任命の同意について反対をいたします。
 以上、社民党・みどりの意見といたします。
○議長(青木さちえ議員) 六番小松久子議員。
     〔六番(小松久子議員)登壇〕
◆六番(小松久子議員) ただいま上程された議案第八十七号に対し、区議会生活者ネットワークとして、反対の立場から意見を申し述べます。
 教育委員となる人に私たちが求める資質の最大のポイントは、第三回定例会における教育委員人事の採決に当たって申し上げたとおり、子どもの権利について深い理解と識見を有する方であることです。
 大藏雄之助氏のこれまでの教育委員活動を見聞いたしますと、子ども一人一人について、あるがままを丸ごと受けとめようとするまなざしが見られず、この点に関して否定せざるを得ません。
 さらに、反対理由として今回どうしても挙げなければならないのは、この後提案される宮坂公夫氏と大藏氏お二人の教科書採択における教育委員会での言動です。この方々が三年前に中学校の社会科教科書として新しい歴史教科書をつくる会による扶桑社版を強く勧め、採択に至ったことは広く知られるところです。この教科書は、日本の植民地政策や侵略の歴史を美化、肯定するなど数多くの問題点が見られ、全国の教科書採択地区五百八十三のうち、採択したのはわずかに杉並区と大田原市のみ。そのことを、当の制作者サイド自らが右寄り過ぎたと総括しているというものです。
 杉並区の教育といえば、済美教育センターの存在を初めとして、特別支援教育への取り組み、食育、環境教育の推進など、さまざまな先進的な取り組みの中には、敬意を表すべきものも多いと考えております。しかしながら、このように教育熱心な風土をはぐくんできた杉並区において、極めて特異な歴史観に基づく歴史教科書が採択されたことは、区民にとどまらず、杉並の教育に注目する全国の人々を驚かせ、落胆させました。現場の戸惑いや、現実にこのような教科書が中学生に与えられていることを思うと、暗たんたる気持ちになります。いまだに尾を引くこの教科書問題を引き起こした当事者である方々について、公平公正であるべき教育委員として適任であると考えることはできません。
 さらに、若い世代の任用、女性の登用を追求していただきたいことと、区長による選任という今の教育委員選出のシステムそのものに強く疑問を抱いていることを最後に申し添えて、反対意見といたします。
 なお、この後に議決が予定される人事案件についても、同様の理由により反対といたします。
○議長(青木さちえ議員) 四番北島邦彦議員。
     〔四番(北島邦彦議員)登壇〕
◆四番(北島邦彦議員) 都政を革新する会の北島邦彦です。議案第八十七号大藏教育委員の任命に反対をいたします。
 山田教育行政の反動的な展開は、大藏教育委員及び宮坂教育委員の任命によって、一気に加速したと言って過言ではありません。
 その大きな焦点は、中学校社会科教科書、いわゆるつくる会教科書の採択をめぐる問題でした。つくる会教科書の採択は、全国の採択区でわずか二つという異様な採択結果となりました。その独善的な歴史観とずさんな記述に対して、ごうごうたる採択反対の声が上がったのは記憶に新しいところです。それを無視し、教育長の首まですげかえて強行した結果がこれでした。
 つくる会教科書が文部科学省の教科書検定に合格していると、教育委員会は常々この採択の正当性を弁明しており、山田区長もその旨を述べているところであります。しかし、杉並区立中学校で歴史を学ぶ生徒が、全国的に極めて特異な教科書によって授業を受けている事実に変わりはありません。
 しかも、このつくる会教科書は、その著者たちの間で醜い対立が表面化し、とうとう訴訟ざたになるような事態となっています。こうした状況の中で、出版社も従来の形でつくる会教科書の発行を継続していくわけにはいかない状態に陥っています。杉並区立中学校で歴史を学ぶ生徒に対して、つくる会教科書の採択に賛成した大藏教育委員はどう責任をとるつもりでしょうか。はっきりさせてもらいたいと思います。
 また、それだけにとどまらず、大藏教育委員は、和田中学校における公教育をどんどん変質させていく教育施策についても、極めて大きな責任を有しています。学校支援本部などを活用した新施策の導入は、教育委員会制度の形骸化、首長による学校教育への支配、介入をもたらす結果を生じさせました。教育委員として、教育委員会の空洞化、無用化をもたらした責任は重大です。
 しかも、和田中で行われてきた施策が生み出したものは、結局は学力の向上という名の受験技術の向上でしかありません。夜スペシャルなどそのいい例で、保護者や生徒の不安をあおり立て、受験競争に巻き込むことが公教育の使命だとでもいうのでしょうか。この施策の発案者である藤原前校長は、現在大阪府において教育行政に関与し、半年で結果を出すと豪語しています。確かに半年で結果は出せるかもしれません。それが受験技術の向上ならば、ということです。
 その他、学校希望選択制、師範館の設立、学校現場におけるさまざまな民営化の推進など、山田教育行政の問題点は枚挙にいとまがありません。それらすべてに大藏教育委員は関与し、積極的な推進者として責任を負っています。もうこれ以上、山田区長の個人的名声のために子どもたちを犠牲にすることは許されません。大藏教育委員の任命には絶対反対です。
 なお、次に提案されるであろう第八十八号、宮坂教育委員においても、同じ趣旨で反対の意見を持っていることを申し添えておきます。
○議長(青木さちえ議員) 三番松尾ゆり議員。
     〔三番(松尾ゆり議員)登壇〕
◆三番(松尾ゆり議員) 議案第八十七号に反対の立場から意見を述べます。
 まず、大藏委員についてです。
 二〇〇五年の教科書採択時の発言、また教科書作成に関与する活動など、きのう、この本会議の間、さまざまに指摘をされてまいりました。この場ではもう繰り返しませんけれども、こうした大藏氏の言論、そして活動については、私は、杉並区の教育委員として適格性に欠けるものであると思い、反対をいたします。
 山田区長のもとで、杉並区の教育行政は、区長部局主導の形が非常に強く前面に出ておりまして、先ほど来、教育委員会の形骸化の問題などが指摘されておりました。確かに私も教育委員会を傍聴に行きまして、議論が非常に低調であるという印象を受けます。しかし、これは、先ほど区長が言われたように、システムに問題があるとか、やり方がまずいんじゃないか、教育委員会は要らないと先ほどはおっしゃってないけれども、別のところでおっしゃっているような、教育委員会が要らないというようなそういうことではなくて、杉並区の今の教育行政が区長主導という形で、教育行政の独立さえも危ういような状態で行われていることに、私は非常に大きな原因があると思っておりまして、この点からも、教育行政を改めていく必要が非常に大きいと思います。
 区長は、こうした状態を自らつくり出しておきながら、ご自分の政治信条を広めていくという個人的な政治目的から、歴史修正主義の、いわゆるつくる会の教科書と言われますが、この教科書を採択するためだけの、そのためだけに教育委員を任命し、教育委員会という場を利用しているというふうに私には思えてなりません。
 ですので、この八十七号、大藏委員の任命同意の議案、それから次に上程されるであろう宮坂氏の任命議案についても、こうした区長の政治目的を最優先し、そのために教育行政の全体の利益を損なうものであると考えて、私は反対をいたします。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 二番堀部やすし議員。
     〔二番(堀部やすし議員)登壇〕
◆二番(堀部やすし議員) 議案第八十七号杉並区教育委員会委員の任命の同意について意見を申し上げます。
 杉並区教育委員会においては、大藏委員就任後、学校希望制度、いわゆる学校選択制度が導入されました。大変多くの保護者や子どもが喜んでいるという状況にあります。これは従前の教育委員の時代には望むべくもなかったことでありまして、英断でありました。その功績は多といたします。
 しかしながら、大藏委員は既に七十七歳。もしここで再任ということになれば、任期中に八十歳を超えることとなります。たった五名しか存在をしていない教育委員のうちの二名までもが八十代に到達するという状況については、異常と言わざるを得ません。活力ある教育委員会をつくるためには、ここで人事を刷新し、若返りを図ることが適当であると考えますので、本人事提案については反対をいたします。
○議長(青木さちえ議員) 一番けしば誠一議員。
     〔一番(けしば誠一議員)登壇〕
◆一番(けしば誠一議員) 議案八十七号、教育委員任命の同意について、以下の理由で反対いたします。
 第一は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第十一条に違反するためであります。
 その一つは、国際勝共連合との深いかかわりです。
 教育委員選任以前は、機関紙世界日報の常設コラムを担当する執筆者でした。結成した目的である従軍慰安婦の歴史事実の抹殺の先頭に立ちました。モンタナ大学の国際会議で、意識的に従軍慰安婦を売春婦とする発言を行いました。アジアからの参加者を前提にした場での失言ではなく、つくる会の方針に従った組織的な取り組みであります。今も杉並区教育委員の肩書で勝共連合の賛同者筆頭に名を連ねています。
 二点目は、つくる会との深いかかわりであります。この点は先ほど述べたとおりであります。
 三点目は、八木秀次氏とともにつくる会を離れ、教育再生機構の賛同人に加わり、新たな教科書改善の会の賛同者として名を連ね、その活動に積極的に参加していることであります。
 以上の点から、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第十一条に違反するということから反対であります。
 二点目は、大藏氏の教育委員としての言動です。
 モンタナ大学での発言に対する昨日の居直り、民団に対して謝罪をしながら、それを翻す卑劣さです。私も以前、その場に居合わせた方から謝罪した事実は聞きました。大藏氏は昨日、質問者の表現をとらえて、平謝りに謝ったことはないというふうに答えて、謝ったこと自体を否定する。これも典型的な、つくる会一流の詭弁であります。議員が大藏氏に、妹についてちょっと間違えて語った事実の誤りを突いて主張全体を否定する、まさにこれも詭弁であります。詭弁を弄するような人を教育委員とするわけにはいきません。
 第三に、つくる会教科書採択を目的とした人選だということであります。
 田母神俊雄論文は、一〇〇%つくる会です。侵略戦争の否定、その三つの論拠は、ことごとくつくる会の主張の焼き直しです。田母神氏が統幕学校長時代のカリキュラムで講師陣としてつくったその教師たちは、つくる会前会長の八木氏、高森副会長、高橋前副会長ら、すべてがつくる会の役員です。歴史学的にはおよそ評価に値しない論文が第一位になった。これも実は、その選者たちが渡部昇一氏を初めとするつくる会だったということであります。まさにこの事件全体がつくる会の出来レースだったのであります。
 参院での傲慢な姿勢を見てください。なぜでしょうか。処分もされない。安倍首相や石原都知事や、ほかならぬ我が杉並区の山田区長が、こうした人間とこうした思想を支持している。このための傲慢な姿勢であります。
 このような思想で自衛隊幹部を教育するのも困りますが、杉並の中学生がこの思想で塗りかえられるのは断じて認めることはできません。現場の教員、保護者と手を携え、このとんでもない、恥ずかしい、つくる会教科書のこの杉並での採択という事実を撤回させるまで闘うことを誓いまして、反対討論といたします。
○議長(青木さちえ議員) 三十二番河野庄次郎議員。
     〔三十二番(河野庄次郎議員)登壇〕
◆三十二番(河野庄次郎議員) 私は、杉並自民議員倶楽部を代表いたしまして、ただいま上程されました議案第八十七号教育委員の任命について、大藏雄之助氏を当委員に任命することに賛成の立場で意見を述べさせていただきます。
 私は、議長を務めさせていただいた折に、数多く大藏氏とお話をさせていただく機会がございました。その際、広く世界観に基づく杉並の教育問題や課題等について氏の考え方を聞くことができ、共感し、学ぶことが多くございました。
 大藏氏は、その経歴を見ればおわかりのとおり、ジャーナリストとして、また教育者として、評論家として活躍をされ、八年前に当区の教育委員に就任をされました。就任後は、教育報や教育委員会のホームページ等でおわかりのとおり、教育問題について積極的に発言をされ、また、さまざまな問題提起をされてきました。このことは、全国的に形骸化していると言われる教育委員会の中にあって、まさに教育委員会の活性化につながったものであると思っております。
 次に、氏の具体的な活動に目を転じて、三点意見を述べさせていただきます。
 一点目は、大藏氏が直接学校現場に赴き、教師、PTA、児童生徒との対話、ミーティングを行うなど、動く教育委員会として学校に身近な立場で活動をされた点であります。そしてこの姿勢は、区民や地域で高い評価を得ているところであります。
 二点目としては、先ほど区長も述べられたとおり、特別支援教育にも強い関心を向けられ、済美養護学校や特別支援学級にも、機会あるごとに訪問している点であります。この点は、だれもが安心して教育を受けられる環境づくりに積極的に取り組まれる姿勢と評価するものであります。
 三点目としては、大藏氏はその経歴を生かして幅広い識見を発揮し、民間人校長の登用や小学校の英語教育、学校適正配置、教科書採択などについて、常に積極的に発言をされてきた点であります。その中で、区独自の学級規模の縮小の必要性も明言されました。その結果、平成二十年度より区立小学校の三十人程度学級は具体的に実現をされたところであります。
 さて、今回の教育委員の任命については、一部には年齢を云々する意見もあるようですが、大藏氏は各分区のPTA代表との意見交換を申し入れ、現役保護者との対話にも積極的に取り組まれ、意欲的にその意見の吸収に努めており、心配ご無用と思います。大藏氏と世代的に近い私も、常日ごろ心がけていることですが、「年はとっても心はいつも新鮮」の姿勢で、今後も杉並の教育について区民とともに考える姿勢で活動されていくものと確信するものであります。
 さて、昨日、一般質問の中で、歴史認識等について大藏氏への質疑がございました。教育委員長が本会議場で質問者に対し本人自らが答弁に立たれたのは、私の二十五年の長い議員生活の中でも、初めて見た光景でございました。そこで、最後に、この件について一言意見を申し上げたいと思います。
 私は、昨日の質疑のやりとりを見ていて感じたことですが、さまざまな歴史認識がある中で、当然、大藏氏にも意見があると思います。しかし、大藏氏はあえてご自身の歴史認識を述べることを避け、誤解や歪曲のある部分のみ的確に冷静に意見を述べられ、質問者の一方的な疑念の払拭に努めていたと思うところであります。その冷静かつ真摯な姿勢は、まさに今混迷している日本の教育の中で真に必要とされている姿勢、すなわち品格であると強く感じたところであります。
 以上の観点から、大藏氏は教育委員に再任されるにふさわしい人物と判断し、我が会派は議案第八十七号に賛成をいたします。
 以上です。
○議長(青木さちえ議員) 二十三番田中朝子議員。
     〔二十三番(田中朝子議員)登壇〕
◆二十三番(田中朝子議員) 私は、民主党杉並区議団を代表いたしまして、議案第八十七号杉並区教育委員会委員の任命の同意について、賛成の立場から意見を申し上げます。
 今回提案されました大藏委員は、三期目となられます。後ほど出されます議案第八十八号の宮坂委員も同様ですが、これまでの二期八年間、委員が誠実に真摯に、また情熱を持って数々の杉並の教育問題に当たられてきたことは、だれもが認めるところであり、一定の評価をするものです。特に大藏委員の昨日のご答弁を聞いておりましても、変わらずご自分の信念と熱意を持って答えていらした姿に、今後四年間の教育委員としてのさらなるご活躍に期待したいと思っております。
 しかし、今回は、委員ご本人の是非とは全く別に、今後の杉並区の教育委員のあり方、また選び方について、何点か意見を申し上げたいと思います。今後、当区の教育委員会人事を考えるに際し、ぜひご検討いただければと思います。
 まず一点目は、教育委員の期数についてです。
 先ほどの私の質問への区長のお答えでは、区長はご自分が三期までと決めていらっしゃる中で、その間教育委員は変わらないほうがよいということから、今回は三期が適当という趣旨のお答えがありました。そのお答えには一定の理解はいたしますが、しかし、ご自分で立候補し、選挙で選ばれる区長と、その区長に選任される教育委員とでは、その立場も仕事の形や種類も全く違います。また、今の教育現場のさまざまな数多い課題や変化のスピードへの対応を考えますと、やはり一人の方が三期十二年にもわたって教育委員を務められるのは、今後は少し長過ぎるのではないかと感じます。個人的には二期八年ぐらいが適当と考えますが、いずれにしましても、何期が適当かということを今後改めて検討していくことが必要なのではないでしょうか。ご一考願います。
 次に、教育委員の年齢についてです。
 年齢については、年齢による能力差は非常に個人差があることもあり、高齢者はすべてだめで、若ければすべてよいということではもちろんありません。特に教育委員は、多様な立場、経験を持つさまざまな年齢層の方がバランスよくその任につくことが必要であると考えますので、一定以上の年齢の方が当然入らなければいけないと思っております。
 しかし、先ほど質問でも触れたとおり、一般社会においては、企業や役所などには定年があり、また、さまざまな組織でも一定の年齢までというラインを設けています。これは高齢になってくると能力が落ちるからではなく、スムーズでバランスのよい世代交代を図るために必要な仕組みなのではないでしょうか。こういったことからも、今後当区でも、教育委員の年齢に関して、厳密に線引きするまでは必要ないとは思いますけれども、一定の年齢の上限ラインの目安は、選ぶ際の検討に入れていくべきだと考えます。
 また、そのほか、教育委員の男女比、先ほども少し触れましたが、構成、年齢等のバランスについても、今後新たな視点や角度からの検討が必要になってきているのではないかと思われます。
 以上、何点か意見を申し上げましたが、ここ十年、社会状況はドッグイヤーと言われるほど猛スピードで変わり、学校や子どもの世界、教育現場もまたしかりです。また、当区は、全国に先駆けたさまざまな先進的な教育施策を数多く進めている、そのことから、そこで発生する新たな課題や問題も多く、その対応も急務となっています。
 以上のような状況を考え、また、教育委員不要論まで出ている昨今、今後当区においては、さまざまな社会状況を考慮に入れた新たな視点や角度からの教育委員の選任を検討していくことが必要不可欠になるのではないかと強く考える次第であります。これからの前向きな教育委員の選任の検討を期待いたしまして、民主党杉並区議団の賛成の立場からの意見開陳を終わります。
○議長(青木さちえ議員) ほかに意見はありませんか。
 四十五番斉藤常男議員。
     〔四十五番(斉藤常男議員)登壇〕
◆四十五番(斉藤常男議員) 斉藤常男です。七十二歳です。元気はつらつです。闘志の塊です。
 そこで、私は自由民主党杉並区議団を代表し、議案第八十七号杉並区教育委員の任命の同意について、賛成の立場から意見を申し述べます。
 大藏氏の教育委員としての四年間について質問状を出し、杉並の教育改革について直接話を伺いました。同意をより確かなものにするため、四年間の活動を検証しました。その結果を踏まえ、同意するに至りました。以下、賛成の理由を述べさせていただきます。
 賛成理由の第一は、この間の教育改革の推進の成果であります。杉並区の教育改革は、児童生徒の教育向上を願い、目標と計画に向かって着実に進んできました。推進を強めてきました。多くの特徴ある成果を上げ、内外の評価も高いものがあります。大藏氏は、推進役の一員として責任を持って職務を遂行してきました。この点において高く評価するものであります。杉並区の教育の発展のために、大藏氏の推進力を活用すべきであると考えるものであります。
 第二は、大藏氏を初め杉並区の教育委員の方々の力で、教育委員会が活性化したことであります。
 平成十九年度の杉並区の教育委員会は二十六回開催されておりますが、これは、文部科学省による調査の全国の市町村教育委員会十二回の倍であります。特に大藏氏は、入学式、卒業式への出席、運動会、学芸会などの行事の出席、さらに一般授業参観、教師、PTA、児童生徒との対話、ミーティングを行うなど、直接学校現場に出向き、動く、働く教育委員として積極的な活動を行ってまいりました。教育委員会の活性化のためには、強い情熱、見識、判断力、責任感、行動力などを有し、教育現場がわかる教育委員が求められていると考えるものであります。大藏氏はこれらの要件を具備した方であると思います。
 第三は、こうした教育委員会の活性化に対する大藏氏の貢献が極めて大きいということであります。
 ジャーナリストとして、教育者として、そして評論家として極めて多忙であるにかかわらず、大藏氏は教育報、教育委員会のホームページ等で教育問題についてさまざまな問題提起をされ、活発な議論を行ってこられました。まさに教育委員会活性化のための立て役者と言ってよいと思うのであります。大藏氏の幅広い社会経験と専門的知識、行動力は、杉並の教育に必要だと思うのであります。
 以上の立場から、大藏氏の教育委員の任命の同意について賛成するものであります。今後、大藏氏が教育委員として大いに杉並区の教育改革に寄与されることを期待し、賛成の意見とさせていただきます。頑張れ、大藏氏。
○議長(青木さちえ議員) ほかに意見はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(青木さちえ議員) 意見はないものと認めます。
 ここで暫時休憩いたします。
                  午後三時十六分休憩
                  午後四時三十分開議
○議長(青木さちえ議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 それでは、採決いたします。
 議案第八十七号杉並区教育委員会委員の任命の同意について、原案に賛成の方の起立を求めます。
     〔賛成者起立〕
○議長(青木さちえ議員) 起立全員であります。よって、原案に同意することに決定いたしました。
───────────────◇────────────────
議案第八十八号

   杉並区教育委員会委員の任命の同意について

  右の議案を提出する。
    平成二十年十一月二十六日
            提出者  杉並区長 山田 宏
○議長(青木さちえ議員) 引き続き、議案第八十八号杉並区教育委員会委員の任命の同意についてを上程いたします。
 理事者の説明を求めます。
 区長。
     〔区長(山田 宏)登壇〕
◎区長(山田宏) ただいま上程になりました議案第八十八号杉並区教育委員会委員の任命の同意につきましてご説明を申し上げます。
 本区の教育委員会委員でございます宮坂公夫氏は、本年十一月三十日をもって任期を満了することになります。
 宮坂公夫氏には、平成十二年十二月から教育委員会委員としてご活躍をいただいております。今般、引き続き教育委員会委員に任命いたしたいと存じまして、ご提案申し上げる次第でございます。
 同氏の経歴につきましては、お手元の議案に添付してございますので、ごらんいただきたいと存じます。
 何とぞご審議の上、宮坂公夫氏を教育委員会委員に任命いたしますことにつきましてご同意をいただきますよう、お願いを申し上げます。
 議案の朗読は省略をさせていただきます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(青木さちえ議員) お諮りいたします。
 議案第八十八号につきましては、委員会付託を省略して異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(青木さちえ議員) 異議ないものと認めます。よって、委員会付託を省略することに決定いたしました。
 質疑はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(青木さちえ議員) 質疑はないものと認めます。
 意見はありますか。
 十八番藤本なおや議員。
     〔十八番(藤本なおや議員)登壇〕
◆十八番(藤本なおや議員) 議案第八十八号、教育委員の任命同意について、杉並自民議員倶楽部を代表して賛成の意見を述べます。
 まず、賛成意見を述べる前に、今し方の、議案第八十七号、大藏教育委員の任命同意について一言申し上げたいと思います。
 議案に対する賛否ということについては、各議員それぞれ考え方がありまして、そういうことで反対をするということについては承知をしておりますけれども、しかしながら、反対の意見だけを述べておきながら採決には参加しない、こういうことの行為については、区民から選ばれている議員として、その負託を放棄していることでもあり、議会としての品格、品位、こういったものを問われる異常な行為である、また、民主主義を根底から覆す行為であると厳しく指摘をせざるを得ないことを一言申し添えておきます。
 そこで、賛成理由を述べさせていただきたいと思います。
 賛成理由の第一は、宮坂公夫教育委員がこれまで取り組まれた実績を高く評価している点であります。
 宮坂氏は、教育委員として二期八年、任意出席でもあります各学校の研究発表会や運動会、文化祭などにも、日程が重ならない限り積極的に学校現場に足を運び、つぶさにご自身の目で現状を認識し、また、校長並びに教職員の声を聞きながら、学校で抱えている諸課題に対応されてきた姿勢は高く評価をするものであります。また、その上で、学校はいかにあるべきか、教員はいかに子どもたちと向き合っていくべきかということについて、独自の信念をあわせ持ちながら、積極的に教育委員会で発言をされ、その成果が杉並教育改革として着実に結実をしているということについて大変評価をしておりまして、さらなる教育の発展に期待をするものであります。
 賛成理由の第二は、宮坂氏自身の経歴から見る人物として、教育委員として適格であると考えるからであります。
 現在、杉並第四小学校で行われております幼小連携教育は、健全な子どもたちを継続的に育成することを目的として、平成十七年度よりスタートいたしましたが、私も同じ地域に住む人間として当該学校を見ており、実際子どもたちにありましては、年少者を思いやる心というものが芽生え始めているなど、教育の一貫性という目的以外の副次的な成果を上げており、保護者はもとより、学校を支える地域住民からも好評を得ております。このことから、幼小連携教育は、これからの杉並区の教育行政を行っていく上で非常に大切な施策の一つであると考え、宮坂氏におかれましては、私立幼稚園の経営者という経歴からも、幼小連携教育や就学前教育の必要性について見識が高く、今後の成果の検証を初め、これらの方向性について検討するに当たって、その経験則からも欠くことのできない人物であると考えております。
 賛成理由の第三は、宮坂氏の教育に対する考え方についてであります。
 昨今、我が国の教育は、犯罪の低年齢化などに見られるように、マナーや道徳意識の低下は憂慮すべき問題となっております。このような中、宮坂氏は、他者を思いやる気持ちをはぐくむことが大切であるとの考え方から、学校教育以外での家庭内教育の必要性やしつけの重要性はもとより、心の教育の大切さについて確固たる信念をお持ちになられながら、これまで教育委員という立場で発言をされており、今後も宮坂氏のこのような考え方は、杉並区の教育に生かされていくべきものと考えております。
 以上、三つの観点より賛成理由を述べてまいりましたが、なお、最後に、教育委員の男女比率について問題視をする意見も先ほどございましたけれども、このような構成比率だけで委員を選出することについては、子どもたちへの教育を真に考え、本質的にとらえているとは思えず、非常に短絡的な見方と言わざるを得ません。私どもは、もとより男女共同参画社会の構築には賛同するものでありますが、真の男女共同参画とは、男が何人とか、女が何%占めなくてはならないとか、こういった構成の結果を求めるものではなく、すなわち性差によって門前払いをするような社会であってはならないと思い、よって男女に関係なく人物本位で選ばれていくことが結果的に共同参画の目指すべき、あるべき姿だと考えております。
 本議案を顧みても、区側も、杉並の教育にとってどのような人物が適格であるかを多角的に、かつ総合的に勘案をし、こうした大きな視点を持って提案されたものと理解をしておりまして、性別におけるバランスについては問題ないものと、最後に意見として付しておきます。
 宮坂氏におかれましては、引き続き未来ある子どもたちのために教育改革にご活躍されることを期待をし、賛成の意見とさせていただきます。
○議長(青木さちえ議員) 四十五番斉藤常男議員。
     〔四十五番(斉藤常男議員)登壇〕
◆四十五番(斉藤常男議員) 私は、自由民主党杉並区議団を代表し、議案第八十八号杉並区教育委員の任命の同意について、賛成の立場から意見を申し述べます。
 過去四年間において、宮坂氏とは就任以来たびたび面談し、話を伺ってまいりました。また、同意を検討するに当たり、質問状を出し、教育委員としての見解を伺いました。その上に立って、以下、賛成の理由を述べさせていただきます。
 賛成理由の第一は、先ほど議案第八十七号で申し述べましたが、この間の杉並区の教育改革の推進の実績であります。
 今日、我が国の教育の現状は深刻かつ切実なものがあります。かつて世界一の勤勉な国と言われた日本を支えた教育の輝きは、今急速に失われつつあると思います。今日ほど教育の抜本的な立て直しが求められているときはないと言っても過言ではありません。
 こうした中で、杉並区は全国に先駆けて、将来の日本を担う子どもたちが、その個性や能力を生かし、立派な人間、立派な日本人として社会に役立つ人間に成長できる教育環境を築くために教育改革に着手し、その推進に力を尽くしてまいりました。この四年間、杉並区の教育改革は、杉並師範館の開塾と卒業生の区費教員としての独自採用、小学校の三十人程度学級の実施、地域運営学校の設置など、成果が確実に生まれつつあり、教育立区に向けた教育改革は軌道に乗りつつあります。これらの実績を評価するとともに、一層の推進を求めるものであります。宮坂氏は教育改革の実績向上に貢献してきました。その貢献力を杉並の教育改革に今後も活用すべきものと考えるものであります。
 第二は、宮坂氏の高潔無比な人格と、教育に対する姿勢と取り組みに大いに期待するからであります。
 宮坂氏は、この四年間、学校の諸行事に出席し、関係者と対話を行い、意見聴取に努めてきました。教育委員会で現場の声を反映させてきました。宮坂氏は行動する教育委員として活動してきたのであります。前回の任命の際にも申し上げましたが、宮坂氏は、経歴にありますように、若くしてサケ・マス漁業の船団長としてその手腕を発揮し、昭和五十三年以降は、幼稚園の園長として幼児教育にその情熱を注いでこられています。氏の穏やかな表情の中にも、子どもに対する厳しくも温かい愛情があります。このように宮坂氏は、特に幼児教育の大切さが問われ、厳しさと愛情ある教育が求められている今日にあって、極めて貴重な方であると考えるものであります。
 以上、引き続き教育委員としての活躍を大いに期待し、賛成の意見とさせていただきます。
○議長(青木さちえ議員) ほかに意見はありませんか。
     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(青木さちえ議員) 意見はないものと認めます。
 それでは、採決いたします。
 議案第八十八号杉並区教育委員会委員の任命の同意について、原案に賛成の方の起立を求めます。
     〔賛成者起立〕
○議長(青木さちえ議員) 起立全員であります。よって、原案に同意することに決定いたしました。
 議事日程第三号はすべて終了いたしました。
***************************************************************************

――以上、備忘録。
この前日の会議の様子は↓から読める/見られる。
http://suginami.gijiroku.com/voices/CGI/voiweb.exe?ACT=200&KENSAKU=0&SORT=0&KTYP=1,2,3,0&KGTP=1,2,3&TITL_SUBT=%95%BD%90%AC%82Q%82O%94N%91%E6%82S%89%F1%92%E8%97%E1%89%EF%81%7C11%8C%8E25%93%FA-19%8D%86&KGNO=545&FINO=754&UNID=K_H20112500191

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「ええ~!!」と私も思いました

 こんにちは。
詳しいやり取り、興味深く拝読しました。
普通、「ねえ、私笑っちゃった話があって」と前置きがある話で笑うのは難しかったりするのですが、
F J N さんが驚いた、とおっしゃっていて心構えがあったにもかかわらず私も
「ええ~!!なんでこんなに反論理由を並べられているのにあっさり決まっちゃうの?」と驚きました。
 教員委員ってどのようにして決まるのか興味がありました。ありがとうございます。

柳下玲優 | URL | 2009年06月29日(Mon)17:24 [EDIT]


Re: 「ええ~!!」と私も思いました

柳下さん、御目通しいただきありがとうございます。
このケイスは、多数決に持ち込むための議場外での「談合」が浮き彫りになるところも興味深い――
と私は感じます。
なお、議場で、提案に対する質疑や、反対賛成の討論があるのは、まだいいほうなのかもしれません。提案が、質疑・討論なしで、あっさり決まるケイスがあるのです。
けっこう不気味です。
不気味ですが、どこの都道府県議会や区議会や市町村議会でも、あっさり系なのかもしれません。
あっさり系の1例として、高崎市のケイスがあります。
びっくりしました。
提案時点での個人情報が会議録に明記されているのです。
そのうち加工して紹介する予定ですが…(苦笑)。

FJN | URL | 2009年06月30日(Tue)08:02 [EDIT]