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とどくとおもう Ⅱ

Full of Junk and Nothing

NSCオブジャパン 記者ブリーフィング(34)――【原子力規制行政】最大反省点

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原子力安全委員会 記者ブリーフィング(2012.03.22)(第14回臨時会議)
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cf.――http://www.nsc.go.jp/briefing/info.html

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 原子力安全委員会記者ブリーフィング
  日時:平成24年3月22日(木)14:41~15:02
  場所:合同庁舎4号館6階643号室
  参加者:班目原子力安全委員長、小山田原子力安全委員、加藤審議官、
      水間総務課長

○毎日新聞岡田記者 毎日新聞の岡田と申します。今日、原発の安全指針類について報告があり、安全委員会が了承したということだと思います。今後の対応として、規制庁に引き継ぐとおっしゃっていましたが、規制庁の発足の見通しが立たなくなっている中、この改訂案の反映が実質的に遅れると思いますが、そのことについてのご見解をお聞かせください。
○班目原子力安全委員長 安全指針類の改訂については、既に公開でやっていますのでいろいろな形で規制行政庁の方に伝わっていると思います。そして、特に安全審査指針類というのは、これは安全委員会の内規であって、これを、直接、今まで原子力安全・保安院が使う必然性はなかったわけです。向こうがそれを安全審査に使っていたということは事実ですが、あくまでも、あれは安全委員会の内規にすぎないものです。今後、規制庁等においては、当然、この安全委員会において、十分議論された内容というのは反映されるものだと、我々は期待しているということでございます。
○毎日新聞岡田記者 規制庁に内容は反映されると思うということですが、ただ規制庁ができないと、それはできないわけですよね。その時期的なことについてのお考えをお聞きしたいのですが。
○班目原子力安全委員長 現段階では、マスコミ報道をいろいろ見たりはしていますが、あくまでも現段階においては、規制庁が4月1日発足、従って安全委員会は3月31日で廃止、という法案が国会に提出されていると理解しています。従って、その理解の下でしか今のところ、我々としては考えようがないという状況でございます。

○電気新聞山田記者 電気新聞の山田と申します。その関連ですが、そろそろ政権側から4月1日に規制庁は発足できないので、安全委員会は業務計画を作ってほしいみたいな要請が、そろそろ来るのではないかと思っているのですが、その辺はまだ何もないのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 少なくとも私どものところには、全くそういう働きかけとか連絡とかはない状況です。
○ニコニコ動画七尾記者 ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。前回も同じ質問があったのですが、繰り返しになってしまうのですが、保安院から提出を受けているストレステストの評価結果の評価の進捗状況ですが、その後、報告スケジュールの目処はどういった状況でしょうか。
○班目原子力安全委員長 今日現在の段階では、まだ未定ということでございます。
○ニコニコ動画七尾記者 ある程度、その作業、文字にするというお話ですが、その進捗状況自体はかなり進んでいる状況なのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 どういうのをかなりと言うのは知りませんけれども、今日もこれからやるつもりですけれども、ずっとまだ作業を続けているという状況です。
○ニコニコ動画七尾記者 その作業の中で何か難しい点とか何か時間がかかっているとか、何か大きな理由等はございますでしょうか。
○班目原子力安全委員長 大きな理由かどうかは知りませんけれども、例えばということで申し上げると、これから先もずっとこういう継続的改善といいますか、事業者自身が自らのプラントの相対的な脆弱性をちゃんと理解した上で頑健性を高める努力をしてほしい。そして、今度はそれを規制行政庁の方で見てほしい。こういう努力をどんどん続けて、安全性を高めていってほしいわけです。そういう一般的なことまで書き込むべきなのか、それを大飯3・4号の総合的安全評価の確認の中に入れてしまうのはどうなのかとか、例えばですよ、全く。例えば、そういうことについてどうしようか、そういう議論をやっているということです。
○ニコニコ動画七尾記者 ありがとうございました。

○共同通信竹岡記者 共同通信の竹岡と申します。細かいことで恐縮ですが、今日の臨時会は2つの専門部会から指針改訂の考え方の報告を受けて、安全委員会として了承したという形になるのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 実は、どちらも中間とりまとめでございます。安全委員会としての了承ということになると、だから中間とりまとめを安全委員会として聴いたというのが事実関係であるとお考えください。説明になっていないかな。
○共同通信竹岡記者 これまでは作業部会とか小委員会とか専門部会のレベルだったものが安全委員会に報告されて、安全委員会レベルのものに今日はなったという。
○班目原子力安全委員長 要するに安全委員会としての共通理解になったということ、そう考えてくださって結構です。
○共同通信竹岡記者 安全委員会としての中間とりまとめを決定したということではなくて、どちらかというと了承に近いものですか。
○班目原子力安全委員長 承ったということで、安全委員会としてもこのとおりだと考えるという、そういうことです。
○共同通信竹岡記者 分かりました。それと仮定の話になってしまうかもしれませんが、4月以降ですが、規制庁の方が、事実上、4月1日の発足が無理な情勢で、しばらく安全委員会と保安院による安全規制が続くことになるのだと思うのですが、その場合に、安全評価についても、しばらく安全委員会と保安院が続けることになるのかもしれないのですが、それについて地元の理解が得られるのかとか、再編されようとしている組織によるそういった安全評価ですね。それについて、委員長はどのようにお考えでしょうか。
○班目原子力安全委員長 今現在は、安全委員会としては何か意見を申し上げられる立場ではないということを、是非、ご理解いただきたいということ、それに尽きます。それと、前回の記者会見でも申し上げたと思いますが、安全委員会としては、実は、今日いらしている小山田委員をはじめ3人の委員が4月16日で任期を迎えてしまうということもありますし、この辺は、安全委員会としてどうしたらいいか、まさに、考えあぐねているというのが正直なところでございます。

○NHK岡本記者 NHKの岡本です。今の質問に関連して伺いたいのですが、具体的な話になるのですが、今日、防災指針の中間とりまとめの報告がありまして、例えば、緊急事態区分を3段階に分けるとか、あるいは、事態が急速に進展する場合は、市町村長等が現場で判断できるように決めておくことがふさわしいとか、そういった文言があります。こういったものが、1月31日に政府が閣議決定した新しい体制案と全く異なるところになるのですが、この辺りについては、どういうあり方が今後、規制庁の中で調整されることがふさわしいと委員長はお考えでしょうか。
○班目原子力安全委員長 原子力安全委員会というところは、あくまでも基本的な考え方を示すのが役割だと考えてございます。それで、この基本的な考え方、これは国際的な考え方を取り入れてまとめたものでございますけれども、是非、これを参考にして、規制行政庁の方でしっかりとしたものをとりまとめていただきたい、と考えているということです。
○NHK岡本記者 そうなってくると、例えば、法改正とか、あるいは今ある原災法の10条、15条というものを何か改訂するとか、そういった形になるということでしょうか。
○班目原子力安全委員長 結局はそういうことも必要だと思っていますし、現在、国会に提出されている法案の中には、例えば、防災指針は今までは、法律上の位置付けが何もなかったものであるところ、何らかの法的位置付けを設けるということは、細野大臣等もおっしゃっていると承知しております。
○NHK岡本記者 あと、もう1点、伊方原発のストレステストの一次評価の議論が先日最後に終了しまして、今後、保安院側から何らかの結論が提出されると思うのですが、4月1日に規制庁ができないことがもう明らかになっている中で、伊方原発の結果を受けるかどうか、この辺りについてはどういうお考えでしょうか。
○班目原子力安全委員長 まず、伊方3号機について、保安院の方の確認が終了したというマスコミ報道は承知していますけれども、確認が終了したという連絡を我々自身直接、原子力安全・保安院から受けていないということがございます。実際に、それが保安院から何か来たときにどうするかということについては、これは安全委員会というところは合議制でございますので、どう対応するかについて、まだ全く相談もしていませんので、私の口からは何も申し上げられないというのが実情でございます。
○NHK岡本記者 それは何か検討される見込みがあるのか、それとも提出されてから考えるのか、どちらですか。
○班目原子力安全委員長 あくまでも仮定の話になりますので、仮定の話で議論するのはいかがなものかと考えます。
○NHK岡本記者 分かりました。ありがとうございます。

○読売新聞大山記者 読売新聞の大山と申します。今日、安全の審査指針類の案が提出されました。この中で、特に、耐震設計審査指針の津波の高さについては、かなり評価手法がこれまでと異なることで、おそらく想定する津波の高さが、かなり引き上げられるのではないかと思います。その辺りの想定の津波が変わってくるということは、今行っているストレステストの評価、保安院から出されている審査書の中での評価にも影響してくるのではないかと思います。その辺りの整合性はどうされるのでしょうか。要するに、実際に想定の津波に対して何倍ですとか、そういった裕度を考えているかと思います。それは指針が見直しされる前のものですよね。その辺りはいかがなのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 事実関係として、現在、保安院の方で確認が済んだ総合的安全評価の結果というのは、これは10月1日時点で事業者が評価したものであり、それから津波の評価の仕方についても、土木学会の基準に沿って行われたものだ、ということで提出されていますから、あくまでもそういうものだとして、我々は確認をせざるを得ない立場であるということでございます。従って、将来的にはもちろん反映させていただきたいと思いますが、現時点では、提出されたものについて確認するしかないというのが、我々の立場ということになります。
○読売新聞大山記者 指針の見直し案を踏まえてということは、今後、出される文書の中で要求されたり求めたりということはあるのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 これをどこまで、例えば、大飯の3・4号について書いていいものかどうか、別の文書なのかなと思うのですが、特に、我が国の原子力規制行政で、一番反省しなければいけないのは、そういう最新の知見というのを常に迅速に取り入れて対応していくこと、そういう姿勢に欠けていたことだと思っております。従って、こういう継続的改善ということについては、大飯3・4号に限らない形で、何か出すべきではないかと考えているのですが、そういう議論もやっている最中ですので、それ以上の回答は、今、できない状態です。
○読売新聞大山記者 今日、報告された3指針類以外に、立地審査指針の問題があるかと思います。これについては、このままですと引き継ぎですか、例えば、文書で新しい規制庁に求めるですとか、そういったことは検討されているのでしょうか。特に、このまま何もないと、規制庁で検討されるのかどうかも分からない状態になってしまうと思うのですが。
○班目原子力安全委員長 まず立地指針については、何らかの形で文書を残すかどうかの検討をまだ原子力安全委員の間でやっていないのが実情です。ただ、これは全く個人的な考え方になりますけれども、シビアアクシデント対策というのが規制要件化されるという状況だと思っております。シビアアクシデント対策を詰めていくと、立地指針で例えば、要求している内容をはるかに超えた厳しい規制がかかるのではないかと思っております。別に立地指針の廃止の処理をしなくても、事実上、満たされるものになるという形になるかもしれませんので、立地指針について何か書き残すべきかどうかについては、少しそういうことも含めて考えておいた方がいいかなと思っているところです。

○アワープラネットTV白石記者 アワープラネットTVの白石と申します。大飯3・4号にも関わるかと思いますが、今回、防災指針でUPZ30kmまで避難の範囲が広がっている中で地元の定義といいますか、今回、例えば、ストレステストの結果を地元説明する場合に、原子力安全委員会としては地元というのは、どのエリアに該当すると班目原子力安全委員長はお考えか教えていただきたいと思います。
○班目原子力安全委員長 原子力安全委員会は先ほど申しましたように、基本的な考え方を示すところだと思っております。例えば、そういう説明だ、なんだかんだというのは、規制行政庁の責任でなされるべきであって、そこが的確に判断すべきであると考えますので、それについて特段の意見を申し上げるつもりはございません。

○東京新聞榊原記者 東京新聞の榊原です。また仮定の話というお答えになってしまうかもしれませんが、新しい規制庁の発足が遅れることで懸念されることに、どんなことがあるのか、班目原子力安全委員長のお考えを伺いたいと思います。例えば、防災基本計画。今日は防災の指針の見直し、中間とりまとめが出ましたが、そういった地方自治体の防災基本計画の策定作業に影響が出ることも予想されるとお考えでしょうか。その辺りを教えていただけますか。
○班目原子力安全委員長 そういう問題が果たして規制庁の発足とリンクしているかどうかもちょっと難しいところですし、規制庁ができないことによって、何かあるかと言われたら、何かあるのかもしれませんけれども、それについて何らかの意見を原子力安全委員会は言う立場ではないと考えています。
○東京新聞榊原記者 分かりました。あとストレステストの確認作業のことでお伺いします。今日、この後も確認作業をやられるということですが、明日、臨時会を開いて結果を保安院にお伝えすることもあるのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 そんなことを言ったら、明日かもしれないし、来週の月曜かもしれないし、火曜かもしれない、水曜かも。私から申し上げられるのは、原子力安全委員会は3月末をもって廃止になるという法案が国会に提出されている以上、その前には必ず出したいと願っているということです。
○東京新聞榊原記者 分かりました。ありがとうございます。

○電気新聞山田記者 電気新聞の山田と申します。小山田先生に伺いたいのですが、任期が来たときに、仮定で申し訳ないのですが、もし安全委員会が続いて任期の4月16日が来たときに、今までと違って、例えば任期が来たから今の方が辞めて、新しい方をというとは多分、どう考えてもあり得ないと思うので、仮に続けてほしいという要請が政府から来た場合に、続けられるお考えはございますか。
○小山田原子力安全委員 先ほど来、委員長がお話をしていますように、私どもとしては3月31日をもって原子力安全委員会は廃止されるという前提の下でいろいろな行動をしております。従って、それ以降、そういう前提でない場合のことについては今答えるのは適切ではないと思いますので、答えは遠慮させていただきます。

○NHK岡本記者 NHKの岡本です。もう1点伺いたいのですが、先ほど、回答の中でおっしゃっていたストレステストの件ですか、大飯の結果とは切り離して一般的なことについて注文を出すことを検討しているとおっしゃいましたが、具体的にどういったものが内容として考えられますか。
○班目原子力安全委員長 一番大きいのは継続的改善です。継続的改善ということの意味は、その中でも更に大きいのは最新知見の反映です。最新知見をなるべく速やかに規制行政に反映させていく。この辺りはどういう形がいいか分かりませんけれども、何か考えたいなと思っているところです。ただ、具体的にどういう形でまとめるかについては、安全委員の中でもしっかりとした議論ができているわけではないので、私のかなり個人的な考えだと思ってください。
○NHK岡本記者 委員会全体でそういった方向でもかなり煮詰まった状態になるという理解ではないということですか。
○班目原子力安全委員長 安全委員会は今、非常に忙しくて、いろいろなことをやっていますので、その議論の時間がとれないというのが実情でございます。
○NHK岡本記者 ありがとうございます。

以 上
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