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原子力安全委員会 記者ブリーフィング(2012.03.23)(第15回臨時会議)
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cf.――http://www.nsc.go.jp/briefing/info.html
私が選んだハイライト場面は↓(微笑)。
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○班目原子力安全委員長 世界的に見て、ストレステストと運転の再稼働とを結び付けている国は多分ないと思います。ですから、それはそれでひとつの政治判断としてなされることについて、原子力安全委員会として何か申し上げる気はございません。しかし、あくまでも原子力安全委員会としては、総合的安全評価というのをちゃんとやってほしい、それに尽きます。
○フリーランス木野記者 安全委員会としては、助言を求められた際にそれの助言に回答するという役割の他に、自主的に提言していくようなこともできると思うのですけれども、その辺に関しては、今後、今後と言っても余り時間はないと思いますけれども、例えばこういうストレステストのこと、あるいは安全性の評価に関して、自主的に政府、あるいは保安院の方に提案を、提言をしていくというような備えというのはあるのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 まさに本日出した見解がそれになっていると思うわけですね。ですから、今まで一次評価というのを原子力安全・保安院でやられたと思いますけれども、それでは世界的に納得を得られるものではないでしょうと、是非、こういう深さまでやっていただきたいということを、ある意味では提案したというふうに考えてございます。
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以下、例によって速記録全文のコピペ。
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原子力安全委員会記者ブリーフィング
日時:平成24年3月23日(金)17:00~17:52
場所:合同庁舎4号館6階643号室
参加者:班目原子力安全委員長、久木田原子力安全委員長代理、加藤審議官、
水間総務課長
○NHK岡本記者 NHKの岡本と申します。
まず、早速の一次評価の結果の解釈について伺いたいのですが、今日の報告書の4ページ目の一番上の二重丸、「緊急安全対策は、上記シナリオの発生を防止する効果を持つものではないが」というくだりのところについて伺いたいのですが、この上記シナリオというのは、読み解くと炉心損傷シナリオということになると思うのですが、これはつまり保安院が結論として出している福島のような地震、津波が起きていても、炉心損傷は起きないとするところに当たるということでしょうか。
○班目原子力安全委員長 詳しいことは、むしろ久木田委員から補足していただいた方が良いと思うのですけれども、緊急安全対策としてとったいろいろな対策というのは、その後に書いてあるように、発電所外部からの支援なしで対処する時間的余裕というのを長くするという効果は十分あるというわけですけれども、その前に書いてあるシナリオというのが、要するに海水ポンプがやられてしまって、そのため全交流電源喪失に至るという、そのシナリオであって、それを直接的に防護する対策とはなっていないと、そういう意味でございます。
ちょっとすみません、久木田委員からもうちょっと補足してください。
○久木田原子力安全委員長代理 今、委員長から申したとおりで、詳しく見ていただければ分かると思いますけれども、海水ポンプについては、津波については4.65mで、それから地震動については1.78ぐらいで故障するという、そういった仮定になっておりまして、緊急安全対策によって、その数値が変わるものではないと、そういう結論になっています。
○NHK岡本記者 つまり保安院が結論として出している福島のような津波では、炉心損傷は起きないという結果とは相反する回答になるということで良いのですか。
○久木田原子力安全委員長代理 今、言ったのは、炉心損傷に至り得るようなシナリオとしての全交流電源喪失の発生条件については、緊急安全対策によって変化はないわけですけれども、緊急安全対策というのは、全交流電源喪失が生じた時の対処策として考えられている。そのことについては、一定の効果があることが示されている。そういうことです。
○NHK岡本記者 それから、あと今回の評価の全体的なことで伺いたいのですが、ひとつの重要なステップだったと、この一次テストによって緊急安全対策の効果が示されたことは、ひとつの重要なステップとありますが、これはつまり保安院の結論としては、妥当という判断という解釈でよろしいでしょうか。
○班目原子力安全委員長 妥当というふうな書き方は、この中には一切していないと思います。我々は妥当性ということに関しては、イエス・オア・ノーみたいな白黒を付けるようなものではないと思っております。
我々は、保安院がやったことに対して、この部分は確かにそうですねと、しかしながら更にこういうことをやってください、ということを書き加えている形になっているわけです。
何回も申し上げているように、総合的安全評価というのは、これはあくまでも、一次評価、二次評価合わせてやるべきものであり、是非、二次評価まで合わせてやっていただきたいということでございます。
○NHK岡本記者 全体的な結論のこの表現として、文言が非常に難しいとか、専門的だとか、あるいは書き方も非常に抽象的であって、この結論を見て、地元の自治体からは、結局、誰が責任を持って、今回の大飯原発の2基について、安全性が担保されているかと確認されたかどうか、というのがはっきり分からないという意見が相次いでいるのですが、これについては、委員長はどういうふうにお考えでしょうか。
○班目原子力安全委員長 我々は、安全性の確認を求められているとは思っていません。あくまでも、我々がやったのは、総合的安全評価というのをしっかりやってくださいと保安院に求めたのに対し、一次評価の結果というのが出てきたと。それに対して我々としては、こういう見解である、というものをまとめたというものです。
緊急安全対策やシビアアクシデント対策がとられていますから、ある意味では安全性がそれなりに高まっているということは、最初から原子力安全委員会としては認めているわけです。しかし、安全性というのは、いろいろな対策をとったからというだけで判断するべきものではなくて、総合的に見なければいけない、というふうに思っているわけでして、それに対して、非常に簡略的な方法で一次評価が出てきたということなので、それに対しては、二次評価に向けていろいろと意見を付けさせていただいたということです。
○NHK岡本記者 では、最後に1点、ちょっとこのストレステストの評価とは、ひとつ切り離して考えていただきたいのですけれども、このストレステストは置いておいて、この大飯原発の2基について、班目先生は2基の再稼働について、技術的に今、緊急安全対策も含めて、動かせるような対策がとられているとお考えでしょうか、その点についてお伺いします。
○班目原子力安全委員長 これはあくまでも定期検査中のプラントの再稼働ということについては、判断は保安院の所掌です。従って、保安院の方で的確に判断されるべきものというふうに考えているということです。
○NHK岡本記者 科学者の立場として、この技術的な、とられてきた安全技術的な、緊急安全対策によって、今の現時点で動かしても大丈夫と、そこだけ科学者としての立場からお聞かせいただけますでしょうか。
○班目原子力安全委員長 科学者の立場と言いますけれども、私は今、原子力安全委員長をやっていますので、原子力安全委員長としての見解というのは、ちょっとこの場では差し控えさせていただきたいと思います。
○東京新聞榊原記者 東京新聞の榊原です。ちょっと関連で質問させてください。
今回の報告書を一読して、先ほど質問でも出ましたが、保安院の審査結果をよしとするのか、だめとするのか、はっきり分からないというような内容だというふうに、私は解釈したのですが、どうしてこんなまどろっこしいような書き方になってしまったのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 ですから、要するに全てある意味ではイエス、バット何々なのですね。ですから、例えば今回の簡略な方法とはいえ、緊急安全対策によりプラントの頑健性がある程度良くなったということが評価できたということは、これはよしとすると。
ただ、そういう簡略な評価だけではなくて、もうちょっと実力値をちゃんと見るような現実的な評価をやってくださいよ、というのが後ろにくっつく。例えば、3ページ目から4ページ目にかけて、二重丸でいろいろ書いてあるのが、みんなある意味ではここにはイエスを書いてあって、その後、3.3のところにバット何々が入っていると、そういうふうにお考えください。
○東京新聞榊原記者 分かりました。
あとある意味、前向きな言葉というのは、「緊急安全対策の効果が示されたことは、ひとつの重要なステップ」という記述のみかと思うのですが、この「重要なステップ」という言葉に込めた思いというか、「重要なステップ」というのは、ある意味、途中経過ということなのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 我が国は、ある意味ではずっと、シビアアクシデントというものを起こり得ないものだというふうに考えて対処してきた。それが結局、今回の事故が防げなかった最大の理由だと思っています。緊急安全対策をとった。更に、今度、こういう総合的安全評価、非常に簡略なものだとは思いますけれども、を始めた。これは非常に大きな一歩で、是非とも、これから先もこれはやり続ける。更に、二次評価、継続的評価をやっていただきたいと思っています。
○東京新聞榊原記者 これで原発再稼働に向けた技術的な安全確認作業がこれで終わりですが、総理、閣僚らによる政治判断に移るのですが、今回の報告書も政治判断の材料になるとは思うのですが、使われる側としては、今どんな思いでいらっしゃるのか、この報告書が政治判断の材料になることに対して。
○班目原子力安全委員長 若干、分かりにくいという御指摘も先ほどありましたけれども、我々としては、要するに科学者として述べなければいけないことは、全てここで述べたということですので、是非、規制行政庁であるところの原子力安全・保安院の方で、これをしっかりと解釈して、対応に当たっていただきたい。そういうことでございます。
○東京新聞榊原記者 最後にもうひとつだけ、2月20日の定例会議後の会見で、班目委員長は安全評価に対して、絶対安全とか、十分安全と言う気はないが、安全性がどれぐらいのレベルにあるかということは示すと、あとは国民の判断に委ねるというふうにご発言されているのです。
今日の報告書を読んでも、いまいち、この大飯3・4号機の安全性がどれぐらいのレベルであるかというのが分からないのですが、今、大飯の安全性というのは、どのぐらいのレベルにあるというふうに理解すれば良いのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 結局、何回も同じことの繰り返しになると思いますけれども、緊急安全対策をとったことで、そのなりの手当てはできているということだけは評価します。ただ、やはり総合的安全評価という意味では、もっと踏み込んだ現実的な評価をやっていただきたいとは思っているところです。
○ニコニコ動画七尾記者 ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。
今回は、書類を見せていただきますと、本来求められていない二次評価に向けた意見等が全体の9ページ中5ページ、半分以上占めているのですね。あと「ひとつの重要なステップ」という言葉も二次評価の必要性を指摘しているように見えるのですが、これは今言った、二次評価の必要性を裏打ちしたメッセージと考えてよろしいでしょうか。
○班目原子力安全委員長 まさにそのとおりで、昨年の7月6日に原子力安全委員会が総合的安全評価の実施を求めた時は、まさかこんな、一次評価、二次評価に時間がかかるとは全く思ってもいなかったわけです。
今現在も原子力安全委員会は、3月末をもって廃止されることになっていると理解していますけれども、その場合には、二次評価に向けてのメッセージをしっかり残しておくべきであるということで、縷々書かせていただいたということでございます。
○ニコニコ動画七尾記者 そうしますと、今回、再稼働に当たって初めての評価なわけですが、委員会としては、これは納得できるものが出せたのでしょうか。それとも本当にこれで良いのかという、そういう疑問符が付くような形での評価だったのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 結局、簡略的であるということについては、いたし方ない面があるということは、ある程度認めるものの、是非今後は、もうちょっとちゃんとした実力値を評価するみたいな現実的な評価をしていただきたいと思っています。
○ニコニコ動画七尾記者 あと最後です。
一方で、地元は安全性の確保をやはり求めているわけなのですけれども、今回の委員会の評価というのは、こうした地元、あるいは国民のニーズに対して、何を答えたのかという点について、是非、教えてほしいと思います。
○班目原子力安全委員長 何回も申し上げているように、原子力安全委員会は安全性の確認を求められているのではないと思っています。あくまでも、総合的安全評価のしかも一次評価の結果についての確認を求められているので、それに対して答えたということだと理解いただきたいと思います。
○ニコニコ動画七尾記者 そうすると、今回の作業というのは国民に対してではないということですよね。
○班目原子力安全委員長 国民に対してではないと言われてしまうとあれなのですが、当然、政府の方からの求めに応じて、我々なりにしっかり書いたつもりでございます。
○産経新聞伊藤記者 産経新聞の伊藤です。
今日の一次評価の確認をもって、現在、安全委員会に残されている最後の懸案が終わったわけなのですが、いろいろご苦労も多かったと思いますけれども、一仕事終えたその心境をお聞かせいただきたいのですが。
○班目原子力安全委員長 一仕事を終えたのはひとつの事実なのですけれども、実はこれは果たして大飯の3・4号の総合的安全評価、一次評価の確認に対する見解として書くべきかどうか、ちょっと迷って、かなり今後の継続的改善辺りについて、削除した部分がたくさんございます。
要するに、今回の事故が防げなかった大きな理由というのも、継続的改善が進まなかった、最新知見の反映というのがなかなか行われなかったという点、この辺りが本当は最大のものだと思っています。そういう意味では、まだまだそういうものをきっちりと残していくという、やり残したことがあるなという思いが強いということでございます。
○産経新聞伊記者 それに関連してですけれども、検討会から本日の臨時会議まで、一次評価絡みで傍聴者からの怒号が飛び交うような異常な状況で行われる事態になっているわけですね。そんな中で、委員長はどういう心境で議事を進めていらっしゃったのか、既に委員長は精神的に限界とおっしゃっているわけですけれども、それでますます早くお辞めになりたくなったような、そんなようなご心境はいかがでしょうか。
○班目原子力安全委員長 いずれにしろ今現在、私の理解では、3月末をもって安全委員会は廃止されるということは、そこがひとつの区切りだろうというふうには思っているということでございます。
○産経新聞伊記者 あともう1点、政府は当初から一次評価を原発再稼働の条件とすると言ってきた。安全委員会、班目委員長は一次評価は再稼働の可否を判断するものではないと再三、言ってこられたわけです。いわば政府と安全委員会の間に、ストレステストに関する考え方の齟齬があったと、そういうふうに見えるのですが、そういう状況下での評価作業というのは、非常にやりにくかったのではないかと思うのですが、その辺りいかがでしょうか。
○班目原子力安全委員長 政府の考え方と齟齬があったかどうかと言われると、必ずしもあるとは思ってません。昨年の7月6日に安全委員会の方で総合的安全評価を実施してくださいというふうに申し上げたところ、一次評価、二次評価と分けてやる。一次評価を運転再開に結び付けて考える、これはあくまでも政府の方のご判断で、そのことについて何ら安全委員会としては、意見を申し述べるつもりもございませんし、そういう立場でもないと思っていますので、必ずしも齟齬があるというわけではないと思っています。
○産経新聞伊記者 明らかに再稼働の条件に使われるわけですけれども、それについてプレッシャーを感じたりとか、そういうことなかったわけですか。
○班目原子力安全委員長 実際にこれがどういうふうに使われるかということについては、これはあくまでも政府の方で判断されると考えていますので、我々としては正直なところを縷々書いたということでございます。
○毎日新聞岡田記者 毎日新聞の岡田と申します。
先ほどの前回の安全委員会でも班目委員長はおっしゃっていたのですけれども、継続的な改善について、大飯3・4号だけではなくて、一般的に全国の原発に対して、メッセージを別の文書を作るということもお考えになられていましたけれども、それをせずに今日のタイミングで見解を出されたのはなぜかというのをお聞かせください。
○班目原子力安全委員長 継続的改善とか最新知見の反映というのは、今国会に提出されている制度改革ともかなり結び付いているところがありますので、どこまで書いたら良いかということで、若干、悩ましいところもあったので、これはこれであと1週間しかないのですけれども、できる限り何かやりたいなと思っているところです。ただ、これは安全委員5人の中でまだ議論をしてませんので、ちょっと実際どうなるか分かりませんけれども、できたらやりたいというふうに思っています。
○毎日新聞岡田記者 今日の見解を出される前に、委員の中では議論はされなかったのですか。
○班目原子力安全委員長 今回の作文、この我々なりの見解の文書を作るに当たって、是非、こんなことも盛り込みたい、こんなことも盛り込みたいという意見はたくさん出てございます。その中で、これはさすがに大飯3・4号の一次評価に対する見解としては外れているな、というのをちょっと外してございますので、それを今後、どう扱うかということをこれからちょっと、安全委員5人の中で話し合っていきたいと思っています。
○毎日新聞岡田記者 今日の見解を出す前に、そういう一般的な継続的な改善について、現段階で意見をまとめるというお考えはお持ちではなかったということですか。
○班目原子力安全委員長 意見交換会で、かなり実はこの継続的改善ということについても取り上げるべく議論をしてきたのですけれども、意見交換会の方も実はもうちょっと開く機会もないまま終わってしまっているという状態なのです。
この辺りは私の一存だけでは答えられない。原子力安全委員会というところは合議制ですので、ちょっとこれから是非、どうするかということは、議論したいと思います。
○毎日新聞岡田記者 今日の文書の中では、二次評価に向けていろいろ留意事項を列挙されていますけれども、これは二次評価までに実施してくださいというふうに求めているものというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 二次評価をやるに当たって、こういうことも念頭に置いてくださいという意味です。この中には、実はこれを二次評価までにやれと言ったら難しいのではないかという項目も入っています。入っていますけれども、それを念頭に置いてやってもらわなければいけないというような形で、少し整理させていただいたということです。
○毎日新聞岡田記者 これは二次評価でやってくださいというのは、安全委員会として求めて、その要求は規制庁にも引き継ぐというお考えでしょうか。
○班目原子力安全委員長 ある意味では、こういう文書をまとめたということは、今後の規制庁でもある程度尊重されるのではないかと期待しているところです。
○北海道新聞須藤記者 北海道新聞の須藤と申します。
2点ございます。
先の質問に対するお答えとの関連もあるのですが、継続的改善ですとか、最新知見の反映について、思いはあったけれども、結局盛り込まなかったと。差し支えなければ、具体的にどういう項目を盛り込もうと思ってやめたのかというのをお聞きしたいのがひとつと。
あと安全委員会の活動は3月末で終わるのだという御認識ということですが、つまりは伊方以降、保安院がストレステストの妥当性を判断したものも、安全委員会としては受けることはないという理解でよろしいでしょうか。
○班目原子力安全委員長 前の方の質問は、ちょっとすみません、久木田委員からお願いします。
○久木田原子力安全委員長代理 先ほど委員長からもありましたように、外部の専門家との意見交換会の場で、継続的改善の具体的な内容については議論しております。それから、一昨年の12月にまとめました原子力安全委員会の基本方針の中でも、それに関連する内容が入っているはずです。
今回の事故を踏まえて、従来から我々が考えていた原子力の安全確保、あるいは安全規制についてのさまざまな考え方を書き止めたいというふうに考えているわけですけれども、時間の関係がありますので、どこまでできるのかというのは、これから相談したいというふうに考えています。
○班目原子力安全委員長 それから、後の方の質問でございますけれども、今現在、原子力安全委員会の方に何か要請があるわけでは全然ありませんので、特に今の時点で私から申し上げることは何もございません。
○北海道新聞須藤記者 要請があれば、検討の余地があるということですか。
○班目原子力安全委員長 全く仮定の話になってしまいますけれども、今現在、原子力安全委員会は3月末をもって廃止されるという状況でございます。その状況で、しかもまだ要請が来てないという状況だということなので、我々としてはこれ以上何も申し上げることはないということになります。
○フリーランス上出記者 フリーランス記者の上出と申します。
一番最初の質問に重なります。
一般の国民が関心を持っているのは、これまで安全委員会が助言をしたということが根拠になってオーケーになったということが、国会や、あるいは閣僚の方たちの説明にも使われているのですね。今回も多分、大飯の再稼働のオーケーになるのではないかということが、多くの方が関心を持っていると思うのです。もし実際にこれでオーケーになって、今回の安全委員会の意見がそれの根拠にされた場合、どういうふうにお考えでございましょうか。
○班目原子力安全委員長 根拠になるも何も、再稼働の是非の判断というのは、これは原子力安全・保安院の方が責任を持ってやることになっていますので、我々の文書をもちろん参考にいただいて結構ですけれども、しっかりやって、しっかりとした判断をしていただければそれで結構だと思います。
○フリーランス上出記者 それから、もうひとつ、前に2月15日に国会の福島原発事故の調査委員会がございました。そこで参考人で述べられていることの中に、これだけ世界的に迷惑をかけた国としては、最高の安全基準を作るべき国際的な責任があるということをはっきりと答えられたのですね。
その精神から見ますと、今日の中にもちりばめてはいるのですが、はっきり大飯原発は今の段階では再稼働するべきではないというふうにおっしゃった方が良いのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○班目原子力安全委員長 再稼働するべきか、やめた方が良いかという判断をする立場にないということを申し上げたいと思います。
○フリーランス上出記者 最終的にはあくまでも、これは政府の責任だということでございますね。
○班目原子力安全委員長 原子力安全・保安院が技術的にしっかりとした判断をしていただければ結構だと思っています。
○フリーランス上出記者 再稼働をすべきかどうかという見解をお示しになることはないですか。
○班目原子力安全委員長 再稼働については、原子力安全・保安院が責任を持って判断していただきたい。これが原子力安全委員会の見解です。
○フリーランス上出記者 どういう判断をすべきであると。
○班目原子力安全委員長 それについては、原子力安全・保安院の方にお聞きいただきたいと思います。
○読売新聞大山記者 読売新聞の大山と申します。
まとめの部分についてなのですけれども、まとめの文で一次評価ではこうこう、二次評価ではこういうことを与えないというふうに、一次と二次というふうに分けて書かれていますが、もともと班目委員長は総合的な安全評価を求めていたということで、こういったまとめの部分を総合的な評価としてどうなのかという、そういった見解は示されないのでしょうか、1点お願いします。
○班目原子力安全委員長 ですから、二次評価を速やかに実施していただきたいとここに書いてあるわけで、是非、二次評価を速やかに実施していただきたい。総合的安全評価というのは、一次と二次と両方が行われないと総合的評価ができませんので、まずはとにかく二次評価をやっていただくということを求めているということでございます。
○読売新聞大山記者 それでは、主に一次評価の部分について、今回のこのペーパーですと、二次評価に対して不足している部分ですとか、要望している、要求している部分が多いのですけれども、それでは具体的に一次評価で不足している部分ですとか、不十分な点というのはなかったのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 最初から申し上げているように、簡略な手法を用いているがために、これではまだちゃんとした評価になっていないなと思うところは多々ございます。
例えばですけれども、4ページ目、その前の2番目の二重丸でも、こういうシナリオを同定していると。このこと自体は重要度の高いシナリオなので、結構だと思うというふうに原子力安全委員会は認めるわけですけれども、シナリオの頑健性ということからいくと、この1本のパス、これは要するに冷却系がだめになったために非常用DGがだめになって、SBOに至るというシナリオですけれども、そのシナリオ以外のシナリオとかもいろいろと考えていただきたいというのがこの裏にあります。
それから、次のあれも成功パスの可能性を高める効果を持つということは評価するのですけれども、ある意味では成功パスをひとつに絞らないで、他のもっと現実的な対策での成功パスみたいなものもちゃんと評価してもらいたいと考えています。そういうふうに全部、イエス、バット何々という形になっているということです。
○読売新聞大山記者 分かりました。
例えば、今回の検討会の議論の過程で新たに分かったこと、例えば5ページ目に保安院による審査過程で冷却材ポンプシールの漏えい対策が遅れた理由等が審査過程で取り上げられて、明らかになったというような、そういう趣旨のことが書かれているのですけれども、例えば今回の検討会でこういった例のように、新たに明らかになったことですとか、その問題点として新たに挙がってきたことというのはあるのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 ここに書いてあることは、むしろ保安院の方の意見聴取会で明らかになったことですね。多々あったと思います。すみません、ちょっと久木田委員、助けてください。
○久木田原子力安全委員長代理 細かいところについてはあったと思いますけれども、我々も保安院の方の意見聴取会の資料等を事前に見て、その上で確認的な質問をしていますので、そういう意味でだめ押し的な確認というものはできた。ですけれども、大きな意味での新たな発見といいますか、そういうものは特になかったというふうに思っています。
○読売新聞大山記者 最後にちょっと細かい点なのですけれども、7ページ目の6ポツ目で、「成功パスが成立する地震動の上限及び津波高さの上限は、緊急安全対策以前と大差ない結果となっている」とあって、8ページ目のまとめでは、「緊急安全対策の一定の効果が示された」というふうになっていて、この緊急安全対策、前のを見ると「大差ない結果」と書いてあるので、効果がないというふうにも読めるのですけれども、これは効果があるということなのでしょうか、それとも効果はほとんどないという、どちらの趣旨ととればよろしいのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 これは2つありまして、ひとつは例えばですけれども、耐震性からいきますと、緊急安全対策をとらなくても1.79倍だったのでしたっけ、ちょっと忘れましたけれども、それが例えば1.8倍になったということで、ある意味では大したことがないようにはとれるのですが、逆にそれはあくまでも、設計許容値で判断しているので、実力値はずっと上にあると思っています。
そういう意味では、もうちょっと現実的な実力値にある評価をやってもらえば、もっとはっきりと効果が出てくるので、是非、今後はそういった評価もしていただきたいということです。
○ブルームバーグニュース稲島記者 ブルームバーグニュースの稲島と申します。
何人の方が質問されていたように、非常にこの文書も分かりにくいというのもあるのですけれども、班目さんのお答えを聞いていると、政府ですとか、保安院が判断、というのを度々おっしゃっていて、言い方は悪いですけれども、責任逃れの言葉にしか聞こえなくて、そもそもの話になりますけれども、仕組み論として、保安院と安全委員会の関係というのは、いろいろな原子力安全に関わる問題をダブルチェックするというものが本来の趣旨だと思うのですけれども、そちらについての見解をまずお伺いさせてください。
あと班目さんが先ほどから何度かおっしゃっている現実的評価が必要だとおっしゃっておりますけれども、一次評価というのは、言葉を換えると現実的な評価ではないということなのでしょうか。
先ほどから何度か簡略的な評価だったということをおっしゃっていますけれども、その簡略というのと現実的な評価というのは、少し意味が違うようにも感じるのですが、その辺についてお願いいたします。
○班目原子力安全委員長 ひとつは、ダブルチェックがどれだけ有効かということについては、特段何か申し上げる気はありませんけれども、あくまでもウォークダウンですね。現地調査まで行って、しっかりと確認行為を行ってきたのは、これは原子力安全・保安院の方だというふうに思っています。我々は保安院の確認について、更に確認するということなので、ある意味では責任逃れとおっしゃられるかもしれませんけれども、限界があるということはご理解いただきたいと思います。
それから、あと現実的な評価を是非、お願いしたいと思っているのは、今回はある意味ではデータがないから、これだけの加速度になったらきっと壊れるだろうということで、そうしたらそれは使えないものというふうに判断がされてしまっているわけです。こういうことをやっていると、これでできたシナリオというのは、本当はそんなことはないよと、そんな値では決して壊れないよというふうに、現場の人が思い込んでしまう可能性がある。そうすると、また変な安全神話が生まれかねない。
そういう意味では、まさに本当の意味での相対的な脆弱性がどこにあるかというのをしっかりと事業者自身が把握して頑健性を高めていく。それのための手段として、この総合的安全評価を使っていただきたいというわけで、そういう現実的な評価だとか実力値での評価だとかというのが重要なのは、そこにあるというふうに我々は考えています。
○ブルームバーグニュース稲島記者 追加でお伺いしたいのですけれども、先日の国会の事故調の中でも、班目さんは本来のそういう安全を高める一義的な責任は事業者にあるということをおっしゃっていて、実際、今回の福島の事故でそれが失敗した挙げ句にこういった事態になっているわけで、それもあって規制庁が作られるという流れですよね。
そういう意味で、今幾ら移行期とはいえ、安全のダブルチェックをする役目を負っている安全委員会の方々が、そういうまた事業者の方に責任を任せる。もしくは政府の政治判断に任せるという姿勢で果たして良いのか、という批判が当然、出てくると思うのですけれども、そちらについても、例えば、これもちょっと別な話になってしまいますけれども、規制庁はすぐにはできないという、予定がずれ込んでくるという報道もありますし、3月末に任期が切れるからというような投げ出し方で良いのかなというふうにも思うのですけれども、それについての委員長のご見解はいかがでしょうか。
○班目原子力安全委員長 我々は、その件に関してはまさに検討の俎上に載っているわけです。検討の俎上に載っている人間が何か申し上げるということは、これは差し控えるべきだというふうに考えていますので、申しわけございませんけれども、コメントは差し控えさせてください。
○共同通信竹岡記者 共同通信の竹岡と申します。
最初に質問があった4ページ目のところなのですけれども、海水ポンプからSBOになって、炉心損傷になるシナリオに絡むところなのですけれども、先ほどのお話は緊急安全対策は、そうしたシナリオによる炉心損傷の発生の防止は求められていないという理解でよろしいのでしょうか。何か、発生後のその辺のちょっと説明をもう一度お願いします。
○久木田安全委員 3月31日に出された緊急安全対策に対する指示というのは、津波等によって全交流電源喪失、あるいは最終ヒートシンク喪失が起こった時の対策として、もろもろ実行するように、そういう趣旨で出されたものですので、防止という観点はそこには特に含まれていないと、そういうことです。
○共同通信竹岡記者 発生後の対策であって、発生を防ぐ対策では緊急安全対策はないということですか。
○久木田原子力安全委員長代理 基本的にはそうですね。ただ、例えば外部電源の補強とか、そういうものについては、もちろん防止の効果があるわけですけれども、今回の一次評価の中では、そういったものは効果としては表れてこない。簡略な評価であるということも一因となって、効果としては上がってこない。ですから、緊急安全対策というのは、基本的には発生後の対策というふうに、一次評価の中では表れてくると、そういうことです。
○共同通信竹岡記者 理解が悪くて恐縮ですけれども、炉心損傷発生以後の対策という。
○久木田安全委員 そうではなくて、炉心損傷に至る可能性があるような事態が起こった時の対策、対策というのは要するに炉心損傷を防止するために効果的な対策、そういうことです。
ほっとけば炉心損傷に至るようなシナリオであるけれども、それに対して緊急安全対策でとられているような設備対応等によって、炉心損傷を防止する、そういうことになります。
○共同通信竹岡記者 班目委員長に繰り返しになってしまうかもしれないのですけれども、委員長は従来、一次評価と二次評価では、検討の深さが大分違うということは繰り返しおっしゃられていました。
科学者としての立場で構わないのですけれども、再稼働前に、二次評価も含めた評価をする前に、再稼働をしても安全なのかということについて、率直なご見解をお願いします。
○班目原子力安全委員長 先ほどの質問と全く同じ回答になります。
要するに、安全性の評価というのは、これは原子力安全・保安院が一義的な責任を持っていますので、しっかりと事業者を指導して判断していただきたいと思います。
○共同通信竹岡記者 最後に1点、一次評価だけでは安全性の確認は不十分だという認識は、今現在も変わらないですか。
○班目原子力安全委員長 安全性の確認ということについて、我々は何も発言してございません。あくまでも総合的安全評価としては、一次評価では不十分ですと申し上げているのです。
○フリーランス木野記者 フリーランスの木野ですけれども、そうすると今の関連なのですけれども、これは総合的安全評価にはなっていないということだと思うのですけれども、今回の評価というのは、一体どういうふうに考えればよろしいのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 総合的安全評価は、例えばヨーロッパなんかではストレステストという形で言われているものにかなり似ているとは思いますけれども、これは世界的な動きとしてやるべきだという話になっているものですよね。これを大体これだけの事故を起こした我が国でやらないということは、これは許されないことだというふうに思っています。従って、是非今後、二次評価まで含めてやっていただきたい、というのが原子力安全委員会の見解です。
○フリーランス木野記者 そうすると、現在はとりあえず、保安院は一次評価だけで判断しようとしているわけですけれども、そういう意味では許されざることをしているという理解でよろしいでしょうか。
○班目原子力安全委員長 世界的に見て、ストレステストと運転の再稼働とを結び付けている国は多分ないと思います。ですから、それはそれでひとつの政治判断としてなされることについて、原子力安全委員会として何か申し上げる気はございません。しかし、あくまでも原子力安全委員会としては、総合的安全評価というのをちゃんとやってほしい、それに尽きます。
○フリーランス木野記者 安全委員会としては、助言を求められた際にそれの助言に回答するという役割の他に、自主的に提言していくようなこともできると思うのですけれども、その辺に関しては、今後、今後と言っても余り時間はないと思いますけれども、例えばこういうストレステストのこと、あるいは安全性の評価に関して、自主的に政府、あるいは保安院の方に提案を、提言をしていくというような備えというのはあるのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 まさに本日出した見解がそれになっていると思うわけですね。ですから、今まで一次評価というのを原子力安全・保安院でやられたと思いますけれども、それでは世界的に納得を得られるものではないでしょうと、是非、こういう深さまでやっていただきたいということを、ある意味では提案したというふうに考えてございます。
○テレビ朝日真鍋記者 テレビ朝日の真鍋と申します。
班目委員長にお伺いしますが、今日、一般の傍聴者に対する臨時会開催の告知は何時にどのような形でされたか、委員長ご自身は把握されていらっしゃいますでしょうか。
○班目原子力安全委員長 11時だと思うのですけれども、すみません。11時でよろしいですよね。
○倉崎規制調査課長 ホームページに実際、11時ちょっと前に出てました。11時数分前ぐらいですね。
○テレビ朝日真鍋記者 原子力安全委員会は、基本的には一般の傍聴者も入れて、フルオープンで行われていると思うのですが、これだけ注目が高い今日の臨時会をそのタイミングで発表したということに関して、これは十分だったと委員長は思われますか。
○班目原子力安全委員長 慣行として、午後開く時には11時に発表するということでやっていますので、何ら今回、特別な措置をとったとは思ってございません。
○テレビ朝日真鍋記者 では、昨日の会見でも、明日やりますか、という質問が出たのですが、あの時点で告知するということは、考えられなかったのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 あの時点では、本当に決まっていなかったのです。
今日の朝、最終的なこの文書の確認をして、やりましょうということになってございますので、これは別に、昨日ごまかしたとか、そういうことではないというふうにご理解ください。
○読売新聞高田記者 読売新聞社の高田です。委員長のご見解でちょっと確認をしたいのですけれども、3大臣ペーパーにおいて、安全委員会は、一次評価の保安院の審査を確認するというルールになっていますよね。ここは安全委員会も合意しているのですよね。
○班目原子力安全委員長 合意しているというか、一次審査の結果を確認したというふうに思っています。
○読売新聞高田記者 それで、今まで再三おっしゃっている二次がないと不十分だ、という発言のところなのですけれども、二次評価も12月末に出るという当初の予定だったとして、一次評価は更にもっと前に出ていたはずだったとすると、一次評価だけで評価せざるを得なかったのではないでしょうか。
○班目原子力安全委員長 ご質問の趣旨が。
○読売新聞高田記者 二次が出る前に安全委員会として確認をしなければいけなかったのではないですか。
○班目原子力安全委員長 ですから、確認したわけですけれども。
○読売新聞高田記者 ですので、その段階でもやはり不十分だという話になったということですよね。
○班目原子力安全委員長 私が申し上げているのは、原子力安全委員会が昨年の7月6日付けの文書で求めた総合的安全評価というのは、これはあくまでも一次評価、二次評価合わせてのものであって、一次評価のところからまず出してくるという、こういう計画については、原子力安全委員会も了承してございます。従って、今回それについて確認させていただいたということです。
○読売新聞高田記者 ですので、この時期になって、二次評価がないと不十分だというふうな話になってきたところが、いまいち私には理解しにくいところなのですが、それだと十分秋口ぐらいからご説明いただけても良かったのではないか、という気がするのですけれども。
○班目原子力安全委員長 昨年の7月6日付けで求めた総合的安全評価というのは、これは我々の考えでは一次評価と二次評価と合わせたものだと思っているわけです。ただし、一次評価と二次評価と分けてやるというふうに計画が出てきたので、了承した。だけれども、二次評価まで当然、やってくださいますよねと、私どもとしては我々が昨年の7月6日付けの文書で求めた要求には、まだ答えられてないと考えているということです。
○読売新聞高田記者 3月末でもって安全委員会が終わるという今の現状において、二次評価が出てないということに対するご見解をここ2~3か月でおっしゃっているということですか。
○班目原子力安全委員長 そうご理解いただいても結構です。特に原子力安全委員会自体が廃止されてしまいますので、是非、二次評価の時には、こういうことに注意してちゃんとやってくださいね、ということを本日書いて示したということです。
○フリーランス上出記者 事務的な質問ですが、フリーランス記者の上出と申します。
3月31日で安全委員会が業務を終了するというのは、法的な根拠とか、そういうのはどういうふうになっているのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 ひとつは、今、国会に提出されている法案の中で、原子力安全委員会は3月31日付けをもってとしっかり書いてあるかな、廃止するというふうな法案になっているということです。
○フリーランス上出記者 ただ、それはまだ通っておりませんね。
○班目原子力安全委員長 ですから、国会に提出されているということです。
○フリーランス上出記者 それが根拠ということですか。
○班目原子力安全委員長 それ以外に我々は何も知らされていないということは、一応、現在の政府の考え方はそうだ、というふうにしか考えられないということです。
○フリーランス上出記者 それから、ちょっと重ねてですが、簡単に言います。
今までの質問を聞いていますと、二次評価の問題についても非常に強調されている点を考えると、今の段階では、大飯のこの問題については、とてもオーケーとは言えないというふうにも読み取れるのですが、いかがでしょうか。
○班目原子力安全委員長 ですから、大飯の問題については、規制行政庁であるところの原子力安全・保安院の方でしっかりとご判断いただきたい、これが原子力安全委員会の基本的立場です。
○フリーランス木野記者 フリーの木野ですけれども、すみません、ちょっと確認なのですが、先ほど今日の告知が11時数分前に出ていたというお話があるのですが、確実ですか。私は12時過ぎにホームページを見た時にまだ出てなかったのですけれども。
○倉崎規制調査課長 私は11時に出るというつもりで見ていたら、ちょっと前に見たら既に出てたので、11時数分前には確実に出てました。
○フリーランス木野記者 出てました。分かりました。
それは何か確認できるものはありますか。ちょっとそれで実は1時前後ぐらいに改めて見たら出ていて、最後に見たのが12時過ぎで出てなくて、今日、午前中朝から見ていたのですけれども、出てなくて、なぜ急に出たのかなと思ったのですが、時間は確実ですか。
○倉崎規制調査課長 少なくとも私が見た時は11時に出ると思って、2~3分前に見たら既に出てたので、出ているなと認識しました。
○事務局 担当者からお答えします。
時間としては、10時55分か56分の辺りに出てました。
正式な時間を知りたいという場合には、ちゃんと履歴が残っておりますので、更新された時間が残っておりますので、総務課の方に後でお問い合わせいただければ、お調べしてお答えいたしますので、お問い合わせください。
○ニコニコ動画七尾記者 ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。
今後のことをちょっと教えていただきたいのですが、今回の書類を政治判断で行う4大臣に何か直接ご説明するとか、そういうスキームにはなっているのでしょうか。今後の予定について、ちょっと教えていただきたいのですが。
○班目原子力安全委員長 これは求められたら何かせざるを得ないかもしれませんけれども、今現在は何も聞いてないです。
○時事通信神田記者 時事通信の神田です。
先ほどから、二次についての不十分さというのを指摘されているのが質問が出ているのですけれども、当初、一次と二次に分けて行うという時に、了承されたとおっしゃいましたが、これだけ不十分な一次評価というのを分けてやるということを了承された理由というのは、一体何だったのでしょうか。また、その当時と今とでは、一次評価に対する見方とか、そういったものは何か変わっていらっしゃるのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 当時はまさかこんなに時間がかかるとは思ってないのですよ。一次評価というのは、さっとやるので、設計許容値等を判断基準にしますよ、ということで了承してしまった。それが今頃になって出てきたということについては、遅いなという気持ちは相当あります。
○時事通信神田記者 あと二次評価に関しても、12月という年限が区切っているわけで、そういう意味では、何も一次評価を先にやらせる必要もなかったわけで、そこの点を安全委員会として指摘されなかったのは、どういうことなのでしょうか。
○班目原子力安全委員長 あくまでも原子力安全委員会が7月6日に出した要請に対して、原子力安全・保安院の方からこうやりたいと言ってきて、それでどうしてもだめな理由がない。当然、一次、二次の順でちゃんと行われるだろうと考えたので、了承したということです。
以 上
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