とどくとおもう Ⅱ

Full of Junk and Nothing

偉くなりたい?!

財団法人日本青少年研究所が今年の3月に《高校生の進路と職業意識に関する調査―日本・アメリカ・中国・韓国の比較―》を発表した。
調査報告書の「目次」と「調査概要」をサイトで見てみた。
以下、そのコピペ。
まず「目次」のコピペ。
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調査の概要 ………………………………………………………………… 3

第1章 進路意識
 1 進路希望…………………………………………………………… 19
 2 進路についての相談相手………………………………………… 25
 3 進路についての親子関係………………………………………… 28
   ① 進路についての親子会話 ②親の仕事への関心
 4 進路を考える際の気持ち………………………………………… 35
 5 学校の進路指導…………………………………………………… 39
 6 日常生活への満足度……………………………………………… 42

第2章 キャリア教育
 1 キャリア教育経験とその評価…………………………………… 44
 2 アルバイト経験とその有効感…………………………………… 52
 3 進路と職業に関する自己認識…………………………………… 55
 
第3章 職業意識
 1 将来の職業希望…………………………………………………… 59
 2 職業選びに影響がある人………………………………………… 63
 3 仕事を選ぶ時に重視するもの…………………………………… 65
 4 働く目的…………………………………………………………… 70
 5 偉くなることについての考え…………………………………… 71
 6 生活意識…………………………………………………………… 77

付録:
 1 単純集計結果……………………………………………………… 82
 2 日本語質問票……………………………………………………… 98
 3 英文質問票………………………………………………………… 105

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次いで、上掲した目次コピペで緑化した箇所に関する「調査概要」のコピペ。

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(5)偉くなることについての考え ⇒p.71~

●「偉くなる」つまり社会的ステータスが高まることについてどのように考えるかを見ると、米国の高校生は「責任が重くなる」「尊敬される」「能力の発揮」など概してポジティブな項目を多く選択し、偉くなることを肯定的に捉えていることがわかる。反対に選択率が低いのは「人に頭を下げなければなれない」や「友達が多くなる」「異性にもてる」など、周辺的な人間関係に関する項目である。

●それに対し、中国の高校生は偉くなることをそれほど肯定的には捉えていない。ほとんどの項目で選択率が低く、唯一他の国々より高いのは「友達が多くなる」だけである。もっとも、「責任が重くなる」や「人に頭を下げなければなれない」と言ったネガティブな項目でも選択率は高くなく、「偉くなること」というテーマそのものにあまり積極的な態度を示していないという印象を受ける。

●韓国の場合は、偉くなることに対して非常に高い肯定的な関心を示している。「能力を発揮」「お金持ち」「尊敬される」「好きなことができる」といった項目で選択率が4カ国中最も高い。一方で「自己犠牲」や「責任が重くなる」「時間がなくなる」「人に頭を下げなければなれない」などネガティブな項目の選択率も高く、好もしい面ばかりではないことも十分自覚されていることがうかがえる。

●日本の高校生は「能力を発揮」や「尊敬」「友達」といったポジティブな項目をあまり選択していない。逆に「責任が重くなる」「時間がなくなる」「人に頭を下げなければなれない」といったネガティブな項目の選択率はそれほど低くない。そうした結果からは、「偉くなること→負担、自己犠牲」といったイメージや、「苦労してまで偉くなることはない」といった醒めた意識が定着していることを垣間見ることができる。

●2006年の調査との比較で見ると、日本と中国が(それに多くの場合米国も)6年間で偉くなることへの肯定的な項目の選択率を低下させているのに対し、韓国だけがそうした項目の選択率を上げていることがわかる。その背景に経済状況以外の要素を推定することは難しいが、何らかの要因により、韓国社会が「出世」や「階層上昇」に肯定的な方向へシフトしていることがうかがえる。

●男女別に見ると、全体に、男子よりも女子の方が「偉くなる」ことの意味を重大に考えていることが推察できる。「能力を発揮」「責任が重くなる」「時間がなくなる」などは、一様に男子より女子の方の肯定率が高い。ただ、「異性にもてる」だけは女子において否定的である。とりわけ日本の高校生でその傾向が強い(女子1.3%)。女性は、社会的地位が上がることで、むしろ異性には距離を置かれるようになるという日本社会の通念がその背景にあると思われる。その点で日本と近いのが韓国である。女子の労働条件、管理職への登用、労働市場での位置づけなど、類似する点の多いことが想定できる。

●さらに直接的に「あなたは偉くなりたいと思うか」を尋ね、その回答を2006年のものと比較した結果、米国の高校生は約4分の3が偉くなりたいと思っていることがわかった。その率は、6年前から10ポイント近くも上昇している。もともと肯定率の高かった(89%)中国も、同様に上昇している。韓国もほぼ米国と同程度の水準である。それに対し、日本の高校生は、あまり偉くなりたいとは思っていない。6年間の上昇もほんのわずかである。それにもまして、「あまりそう思わない」と「全くそう思わない」を加えた否定的回答が4カ国中飛び抜けて高い(53.8%)ことに注目すべきであろう。

●「偉くなりたいと思うか」の結果を男女別に見ると、米国、中国、韓国では、ほとんど肯定的意見の率に性差がないことがわかる。特に、韓国の女子高校生の肯定的意見は、男子よりも3.1ポイント上回ってさえいる。この数値は、先の「偉くなることの意味」で見た日本の女子とのネガティブな類似性(「異性にもてる」の低率、「自分の時間がなくなる」の高率など)にもかかわらず、韓国の女子高校生のアスピレーション(地位達成の意欲、野心)が社会的に高められていることを示しているものといえる。

●男女ともに非常に高いアスピレーションを示した中国の高校生の場合、女子の方がわずかに低率ではあるものの、ほぼ9割の回答者が「偉くなりたい」と思っている。この率は、米国、韓国の女子の7割強と比べてもかなり高い。

●日本の高校生のアスピレーションは、男女ともに低率である。とりわけ女子は低く、上記の結果の中で肯定的意見が唯一5割に達していない。やはり「慎重」で「控えめ」で「現実的」な日本の女子高校生の特性をはっきり示しているものといえよう。
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